「1円でも多くの税金を搾り取るのが財務省の『仕事』」 サラリーマンを追い詰める退職金増税の実態
「1円でも多くの税金を搾り取るのが彼らの『仕事』」
財務省は今回のような「支出削減」や「増税」につながる制度改変なら物価連動を主張するものの、「支出拡大」や「減税」につながる制度改変の場合は物価連動をおくびにも出さない。
「財務省にとって必要なのは緊縮の完遂であり、1円でも多くの税金を搾り取り、1円でも多くの支出を削減するのが彼らの『仕事』なのです。その際に、国民に対する配慮は全く見られないのが実情です。『反発の少なさ、多さ』にだけ対応しており、反発が大きくない、と見ると今回のように削減が完遂されそうになってしまうのです」(同)
財務省がもくろむ「退職金税制の見直し」についての質問が国会で飛んだのは、高額療養費の負担限度額「引き上げ見送り」が表明される2日前のことだった。
「拙速な見直しはいたしませんが、慎重な上に適切な見直しをすべきだ」
石破首相はそう答弁し、将来的な見直しを否定しなかったのだった。
「退職金税制の見直しについては23年6月、当時の岸田文雄政権が経済財政運営の指針『骨太の方針』に『見直す』と明記したものの、SNSで『サラリーマン増税』という批判が相次いで炎上した経緯があります」(前出の政治部記者)
サラリーマンにとっては大幅な増税
現行制度では、退職金から控除額を差し引いた金額の2分の1に所得税と住民税が課せられる。勤続20年までは1年あたり40万円の控除額だが、勤続20年を超えると、控除額が毎年70万円に拡大される。
この「勤続20年の壁」を取り払い、20年以降も控除額を一律40万円とする案などがこれまで検討されてきた。もちろん、サラリーマンにとっては大幅な増税となる。
「所得の性質に応じて課税の計算方法を分ける必要があるという理由から所得は10種類に分類されており、その一つが退職所得です」
税理士で「不公平な税制をただす会」共同代表の浦野広明氏が解説する。
「退職所得に課税の軽減措置が取られているのは、退職金が会社に長年勤務したことに対するねぎらいであるとともに、老後の生活資金だからです。また、他の所得などと合算して課税してしまうとその年の所得だけが跳ね上がり、納税額が増えてしまうのは不適当だからという配慮もあります」
最近は早期退職制度で割増金が上乗せされることがあるが、その割増金も「退職金」に含まれる。小規模企業共済や個人型確定拠出年金(iDeCo)など、契約に基づいて受け取る一時金も同様である。
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