韓国で何が起きているのか… 尹大統領の支持率が“驚異の回復”を見せている理由と、「内乱」の真実
「内乱」はプロパガンダ
3月8日に尹大統領は釈放されましたが、弾劾裁判の判決はこれからで、内乱首謀の刑事裁判も続いています。戒厳令が解除されるや否や、野党第1党「共に民主党」と巨大野党は、尹大統領が政治的目的で軍を動員し内乱を企てたと主張、国会で大統領弾劾訴追案を押し通しました。しかしこの「内乱」というレッテルは、巨大野党が現職大統領を権力の座から引きずり下ろすために作り出したプロパガンダ的扇動に過ぎません。彼らは尹大統領を「内乱の首謀者」と断じ、そのイメージを国民に執拗(しつよう)に刷り込もうとしたのです。
検察や警察をはじめとする捜査機関は、この扇動に巻き込まれ、現職大統領に対する捜査で優位に立とうと競い合いました。その結果、高位公職者犯罪捜査処(公捜処。大統領、国会議長など高位公職者の犯罪捜査を行う機関)が主導権を握り、違法な素地が明らかな拘束令状を根拠に、1月15日に憲政史上初めて現職大統領を拘束するという異常事態が発生したのです。
「『暴動』とみなすのは無理がある」
そもそも、公捜処は大統領の内乱罪を捜査および起訴する権限を持っていません。それにもかかわらず、尹大統領に対する拘束と逮捕を強行したのです。
刑法における「内乱罪」の定義は非常に明確です。第87条および第91条によれば、内乱罪とは「現行の憲法や法律、国家機関を武力によって無力化する目的で暴動を起こした者」に適用されます。大統領は憲法上の権限に基づいて戒厳令を宣布することができ、その過程で多少なりとも軍の投入が伴うのは避けられません。これを「暴動」と見なすことは、明らかに無理があります。12・3戒厳令とその後の状況は全世界に生中継されましたが、戒厳軍が現行法秩序や国会、その他の国家機関を武力で転覆させようとしたという証拠は一切見当たりません。むしろ一部の市民による激しい抵抗で、軍人が負傷する事態が発生しました。
また刑法における内乱罪は「目的犯」として定義されます。尹大統領は秩序維持のため、最小限の軍隊を投入し、国会で戒厳令解除案が可決されると即座に戒厳令を解除しました。これは、国憲を乱す「目的」がなかった明らかな証しです。
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