「強者男性イジリ」から早めに手を引いた指原莉乃の商才 いまや「おじさんタレント」こそが弱者に
最近はプロデューサー業に全振り? SNS巧者・指原さんに見たテレビとの距離感
指原さんといえばAbemaブログで24時間に200回更新し、ギネス記録を打ち立てたSNS巧者だ。でもこの1年はインスタも Xも更新頻度は控えめになり、特にフワちゃん休業後の昨年8月以降の投稿は少ない。それこそ昔は「トークィーンズ」の宣伝もしていたのに、最近はプロデュースしたアイドルとコスメの話題しかほぼ投稿していないのだ。今年に入って最初の投稿は、小島瑠璃子さんとの不倫疑惑を否定した漫画家の投稿リポストだった。フワちゃんの謹慎についてノーコメントを貫き批判を浴びた指原さんだが、フワちゃんとの写真や動画も消していない。テレビをはじめとしたメディアへの不信感や、距離を置きたいという意思表示に見えてならないのは私だけだろうか。
といっても、そうした変化は指原さんだけではないのだろう。「おじさんイジリ」が面白がられていた頃は、ギャルタレントとおバカタレントと若い女子アナがその腕を競わされていた。しかし今、おじさんをイジる若い生意気な女、というステレオタイプな型にはめられて消費されることに、うんざりした顔を隠さないタレントが増えてきた。人気ギャルタレントの筆頭であるみちょぱこと池田美優さんにしろ、おバカというか不思議ちゃん枠で躍進めざましいあのちゃんにしろ、おじさんイジリだけでなく、テレビのありがちな演出に冷ややかなコメントをする方が目立つ。女子アナは女子アナで、フジテレビ問題もあってタレントと同じように振る舞うこと自体に厳しいチェックが入れられるようになった。
おじさんをいじって面白いと思っているのは、テレビ制作者のおじさんたちだけ。彼らの思惑通りに振る舞ったところで、もう誰も得しないことに出演者も視聴者も気付き始めているのだろう。「弱者」の定義がめまぐるしく入れ替わる世の中で、強者にかみつくフォーマット自体が成り立たないものになっていくのではないだろうか。
かつて自分がトークのネタにしていたような、気取ったインフルエンサーめいた自撮り投稿が増えた指原さんだが、強者は強者らしく開き直っていくと決めた姿には清々しさがある。足場はもうタレントではなく実業家の方に踏み替えているかもしれないが、女性経営者界でもセンターを突っ走り続けてほしいものである。