東北新幹線トラブルでも「みどりの窓口」に長蛇の列…「指定席券売機」の改良が“中途半端”と指摘される根本的な理由
若手の職員ほど会社の言いなり
JR東日本は、みどりの窓口を減らすだけでなく、駅の時計はコストが掛かるからと言って撤去するなど、“改悪”と呼ばれても仕方のない取り組みを次々に実施して、批判されている。現場の駅員はどのように思っているのか。JR東日本の地方の駅で働く現役駅員、A氏がこのように語る。
「みどりの窓口に関しては、現場に配置される社員も減っている中、維持するのが厳しくなっています。私が勤務する駅はみどりの窓口がある職場ですが、周辺で次々に無くなっている影響をひしひしと感じています。なかには、車で1時間半以上かかる地域から、わざわざ切符を買いに来る方もいるため、とても心苦しく感じています」
利用者にこれほどの不便を強いるなど、鉄道会社として首を傾げざるを得ない。ところが、駅員の間でも世代によって感じ方は異なるという。A氏はこうも話す。
「若手ほど比較的、上に言われたことに対して従順で、“ああそうですか”といった形で受け入れていますね。なんなら“切符を売るのが面倒くさいから、早くうちの駅からマルス(指定席券などの管理・販売をするオンラインシステム)端末を無くして欲しい”と言う人もいます。一方で、勤続10年以上の社員など、昔を知っている社員は“お客さまが窓口や時計が無くて困っているのにいいのか!”という意見を持っています」
JR東日本はどう見ているのか
度重なるトラブルによる駅の混乱を、JR東日本はどのように考えているのか。広報担当者にメールで問い合わせたところ回答があったので、紹介したい。
まずは、切符の払い戻しを求める乗客がみどりの窓口に押し寄せ、行列が起きている点だ。こうした混雑の原因には、JR東日本が進めているみどりの窓口の削減も影響しているのではないか、という質問には以下のように回答があった。
「みどりの窓口の体制については、将来的に窓口によらない販売体制へのシフトをめざすことに変わりはありませんが、お客さまの乗車スタイルの変革が進捗するまでの間は、現行の体制を基本的に維持していくこととしています」
「なお、異常時発生時等において通常のお客さまのご利用者数を大幅に上回るような状況下においては、一定の混雑が生じうるものと認識しておりますが、可能な限り駅社員による券売機等のご案内及び操作をサポートし、話せる指定席券売機においては駅とオペレーターが連携して適切な案内を行うことのほか、指定席券売機及びえきねっとの機能増強を図っていくこと等により、混雑の緩和に努めてまいります」
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