東北新幹線「連結外れ」でJR東日本に激震…「現役社員」が吐露したトラブル対応に影を落とす“失敗”とは
現場の技術継承が上手くいっていない
――JR東日本はみどりの窓口を減らし、人員を削減するなど、コストカットを盛んに行っている印象があります。そういったコストカット重視の体質が、トラブルに影響しているという声もあります。
A:組合の人や、組合寄りの人は、まったく同じことを言っています。個人的には“技術継承”が失敗したためだと感じています。例えば、新幹線も停車する“熊谷駅”という駅がわからない駅員がいるとネットで揶揄されていましたが、それは駅員や営業系の職員だけでなく、車両系や設備系の現場でも同じようなことが起きていると思うんですよ。実際、社内の交流会では、「特殊な車両トラブルがあった際に、対応できる先輩がいなくなってしまって不安だ」と、車両系の若手社員が言っていました。
――技術継承は、日本全体の重要な課題だと思います。製造業や伝統工芸などのモノづくりの世界、最近ではアニメーション業界など、あらゆる業種で技術継承ができていないせいで現場が混乱しているというニュースがありました。
A:おっしゃるとおりで、鉄道は未だにマンパワーで頑張っている部分が多いので、人が育っていないと影響は大きくなると思います。マニュアル通りの対応でも、普段はなんとかなるんです。ただ、トラブルや、想定していない事態が起きた際の対応能力が弱すぎるんですよ。つまり、今回のようにマニュアルにない事態が起きると、途端にパニックになってしまう感じですね。
――駅員のスキルが全体的に落ちているという話も聞かれます。
A:駅、乗務員区、指令、車両、設備のどこの箇所でも、国鉄時代のベテランさんたちがたくさんいた時代より対応が遅くなったり、判断がわけのからない方向へ行ったりして、ミスや被害のさらなる拡大につながっているように感じます。先ほど、製造業やアニメ業界の話がありましたが、そういった業種と問題の根本は同じだと思いますよ。
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