エース「才木浩人」だけじゃない! ドジャースとカブスを撃破した「阪神」で“メジャーでも通用しそうな外野手”とは?

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 カブスとドジャースの“MLB東京シリーズ2025”が、野球ファンを魅了したことは言うまでもない。だが3月16日に行われたドジャース対阪神戦のほうが印象に残ったという人もいるのではないだろうか。この試合で阪神はドジャースを0−3で下して完封勝利。デーブ・ロバーツ監督が試合を振り返った際、阪神先発の才木浩人を「球はメジャー級」と絶賛して注目を集めた。

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 才木は昨年の契約更改時にメジャー挑戦を直訴しており、ドジャース戦の好投が自信につながったことは間違いないだろう。特に1回無死で大谷翔平を空振り三振に切って取った時は、東京ドームが大歓声に包まれた。

 野球評論家の広澤克実氏は明治大学野球部で主軸として活躍し、1984年にはロサンゼルスオリンピックに出場して金メダル。日米大学野球でも日本代表に選出され、プロ野球選手になってからも日米野球に出場を重ねた。

 広澤氏は当時を振り返って「80年代は日本人選手と外国人選手に大きな体力差があったのは事実です。ただし当時でも“日本野球”が通用する場面はありました」と言う。

「投げる、走る、打つという基本的な部分で、アメリカの大学生代表やメジャーリーガーのほうが優れていました。そのため日本人バッターはパワーで劣ることを前提にエンドランやバントを仕掛けて1点をもぎ取ったのです。一方、日本のトップクラスのピッチャーは当時から相手バッターを封じ込めていました。80年代の段階で、すでに“投高打低”という傾向はあったのです」

フォークの破壊力

 なぜアメリカの大学代表もメジャーリーガーも、昔から日本の一流ピッチャーを苦手にしてきたのだろうか。広澤氏は「鍵を握るのはフォークです」と指摘する。

「私自身も不思議に思うのですが、なぜか海外はフォークが勝負球というピッチャーが少ないのです。『肘への負担が大きい』という説も根強いので、アメリカの指導者はフォークを避けているのかもしれません。いずれにしてもメジャーのピッチャーは人差し指と中指でボールを浅く挟む『スプリット』は投げても、しっかりと挟み込む『フォーク』を投げる選手はほとんどいないと言っても差し支えないでしょう。スプリットでも得意とするピッチャーが投げると揺れながら落ちますから、なかなか打てません。しかしながら本当に凄いフォークは1球1球の軌跡が常に異なります。2球続けて投げられても打てないのは、前の球の軌跡が全く参考にならないからです」(同・広澤氏)

 広澤氏が“圧倒されたフォーク”を投げたピッチャーは、横浜や巨人で活躍したマーク・クルーン氏と、阪神のランディ・メッセンジャー氏だったそうだ。彼らは日本のプロ野球でフォークを習得したのだが、その切れ味は桁違いだったという。

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