「亡くなった元県民局長の“私的文書”を誰が盗んだか特定できる可能性も」 斎藤元彦知事を追いつめる「新たな一手」とは

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 百条委の報告書を「一つの見解」と一蹴した斎藤元彦・兵庫県知事(47)に対し、県議会が秘かに攻勢を強めているという。追及の新たな一手として、知事側近への刑事告発が模索されるなど、攻防はいよいよ次なるステージへ――。

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「想像以上に強気な態度」

「斎藤知事との雪解けなんてとんでもない。一連の騒動の核心部に斬り込まない限り、いつまでたっても互いの主張は平行線のまま。維新から除名や離党勧告を受け新会派を結成した3人の県議が問われたのは情報漏えいでした。でも、その大元についての検証や解明はこれまで果たされてこなかった」(兵庫県議の一人)

 今月5日、兵庫県議会は、斎藤氏のパワハラ問題などを指摘した告発文書を巡る県議会調査特別委員会(百条委)の報告書を賛成多数で了承した。

 報告書では「パワハラ行為と言っても過言ではない言動があった」と認定したほか、告発内容を調査する前に告発者を特定するなどした経緯についても「公益通報者保護法に違反している可能性が高い」と結論付けた。ところが、

「パワハラについて知事は“業務上必要な範囲の指導だった”と従来の主張を繰り返し、公益通報者保護の件でも“可能性(の話)なので、逆に言えば適法の可能性もある”と強弁。111万票超を得て再選した自信からか、想像以上に強気な態度で驚きました」(同)

“私的文書”を最初に漏えいした人物

 それだけでなく、斎藤氏は告発文書を書いた元県民局長(昨年7月死亡)の公用パソコン(PC)から見つかった私的文書を指し、「極めて不適切なわいせつな文書」と断言。議会内外から「反論できない死者に対する冒涜だ」などと批判の声が上がっている。

 兵庫県庁関係者が語る。

「私的文書は元県民局長の公用PCに収められていましたが、それを最初に外部に漏えいしたとされるのが、“斎藤知事の側近”といわれた総務部長(当時)の井ノ本知明氏です。この件については、第三者調査委員会が調査中だと聞きます」

 実は一部の県議から、井ノ本氏を地方公務員法違反(秘密漏示)で刑事告発する動きがあるという。

 ベテラン県議が明かす。

「すでに複数の県議や県職員が“昨年4月、井ノ本氏から告発者の私的情報を開示された”と証言している。彼は昨年10月の百条委で“守秘義務違反の嫌疑を受ける可能性”を理由に証言を拒否。真相究明のためには刑事告発して捜査当局の手に委ねるべきだとの声が高まっています」

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