「50年前は50人に1人だった乳がん、現在は9人に1人に」 専門家が指摘する早期発見方法とは
「一時の不安な感情に流されないように」
佐賀大学医学部名誉教授の小泉俊三氏が指摘する。
「専門家の間で、腫瘍マーカーが健康な人からがんを見つけるのに有用でないのは半ば常識です。実際、マーカーの値が突然上がり始め、患者さんは“がんかもしれない”と真っ青になり、精密検査を何度も受けるも、いつの間にかマーカーの値は下がってしまう、といった例も経験しています」
不安に駆られ次々不要な検診を受ける患者も多い。
「結果がんが見つからなくて安心できたとしても、そこにかけたコストはどれほどでしょうか。PET検査は保険適用がなければ、1回10万円以上します。一時の不安な感情に流されず、専門家の示すガイドラインを参考にして、根拠に基づく医療の考えの下、検査を受けてほしいと思います」(同)
不要な検査は百害あって一利なしの精神で臨みたい。
前編【バリウムより胃カメラ? エックス線検査では見落としも! がん検診の部位別の最適解を専門家が徹底解説】では、「五大がん」のうち、肺がん、大腸がん、胃がんについて、最適な検診方法などを解説している。
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