「50年前は50人に1人だった乳がん、現在は9人に1人に」 専門家が指摘する早期発見方法とは
9人に1人の割合にまで増加
【前後編の後編/前編からの続き】
日本人の死因1位である「がん」は、年間約40万人もの命を奪っている。そんな天敵に打ち克つため、われわれの味方になってくれるのが「がん検診」だ。中でも早期発見が可能とされるのが「五大がん」。部位別の最適解をまとめた「丸分かりガイド」をお届けする。
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【写真を見る】「日本は異常に受診率が低い」 部位ごとの「がん検診」受診率データ
前編【バリウムより胃カメラ? エックス線検査では見落としも! がん検診の部位別の最適解を専門家が徹底解説】では、「五大がん」のうち、肺がん、大腸がん、胃がんについて、最適な検診方法などを解説した。後編では、乳がん、子宮頸がんの検診について紹介する。
50年前は50人に1人だった「乳がん」の罹患率は、2020年代に入ってからは9人に1人の割合にまで増加している。食生活の欧米化や女性の社会進出などライフスタイルの変化が増加の理由とされ、検診の重要性は高まる一方なのだ。
厚労省の指針では40歳以上の人を対象に、2年に1回の受診を推奨している。
「最近は35歳から発症リスクが大きく上がるように」
だが、ベルーガクリニック院長の富永祐司氏は、
「私たち専門医からすれば、頻度としては年1回をお勧めしています」
と話す。また受診を始める時期についても、
「現在、日本人の乳がん発症率のピークは66歳ですが、最近は35歳から発症リスクが大きく上がるようになりました。よほど気になるという方は、30歳以降で検診を受けてもいい。20代では身体的にも金銭的にも負担があり、デメリットの方が大きいですね」
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