バリウムより胃カメラ? エックス線検査では見落としも! がん検診の部位別の最適解を専門家が徹底解説

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「人間ドックと組み合わせるやり方も」

 各自治体で対応は異なるが、多くのところでは新年度を目安にして、自宅ポストに五大がんの検診案内が封書などで届く。受診会場となる医療機関の案内やクーポンが同封されたものだ。これを利用しない手はない。

『医者がマンガで教える 日本一まっとうながん検診の受け方、使い方』の著者で「近藤しんたろうクリニック」院長の近藤慎太郎氏が言う。

「五大がん検診は、最低限これだけはやってくださいという内容であって、これ以外にも効果があるとされる検査方法もあります。自分で特定の部位のがんリスクが高いと思ったら、自治体のがん検診のみならず、人間ドックと組み合わせて検査を受けるというやり方も手かと思います」

 部位ごとに受診が推奨される年齢や効果のある検査方法は異なる。以下、その詳細を解説しよう。

「見落としが起こるケースも」

 がんの部位別死亡者数で「肺がん」は男性1位、女性2位と上位を占める。

 前述した厚労省の指針では、肺がん検診は40歳以上の男女を対象に、年1回受けるべしと定められている。検査方法は「胸部エックス線検査」。一般的な健康診断でおなじみのレントゲンが推奨されている。

 前出の近藤氏が解説する。

「レントゲンと喀痰の検診を受けることで、肺がん死亡率を下げるといわれています。ただし、肺がんの位置や大きさによっては、見落としが起こるケースもあります。たとえば心臓などと重なる肺中心部の肺門部のがん。厄介なことに肺門部のがんは悪性度が高く、5年生存率が低い傾向にあるのです」

 肺門部にがんがある人は、普段から痰にがん細胞が混じりやすい。そのため件の指針では、レントゲン以外に「喀痰検査」も推奨されてはいるものの、対象は50歳以上かつ重度の喫煙者に限られる。

 ここでいう重度の喫煙者は「1日に吸うたばこの本数×喫煙年数」の数値が「600以上」となる方を指す。ヘビースモーカーの条件を満たさなければ、公的扶助で「喀痰検査」は受けられないというわけだ。

次ページ:「CT検査はレントゲン検査より、肺がん死亡率を20%ほど下げられる」という報告も

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