センバツ優勝校を徹底予想! 連覇か覇権奪回か、最有力の“3強”チームと「ダークホース」をピックアップ
3月18日に開幕する第97回選抜高校野球。7日には組み合わせ抽選会が行われ、初戦の対戦カードも決まった。果たして「紫紺の大優勝旗」を手にするのはどのチームになるのか。昨秋の戦いぶりなどから展望してみたい。【西尾典文/野球ライター】
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今年の最有力候補はこの3校か
総合力で一歩リードしているのが、3チーム。選抜連覇を狙う健大高崎(群馬)、明治神宮大会優勝の横浜(神奈川)、秋の近畿大会を危なげなく制し、明治神宮大会で横浜と接戦を演じた東洋大姫路(兵庫)だ。
健大高崎は、ドラフト1位候補でエースの石垣元気(3年)と、昨夏以降に大きく成長した左腕の下重賢慎(3年)の好投手を揃えている。野手陣は、昨年のチームとレギュラーの多くが入れ替わったが、上位から下位まで実力がある選手が並ぶ。
3月2日に行われた日大三との練習試合では、16点を奪って大勝するなど、打線に勢いがある。初戦の相手は、難敵の明徳義塾(高知)。この大きな山を乗り越えれば、一気に頂点まで駆け上がる可能性も高い。
続いて、横浜。昨秋の関東大会決勝では、延長タイブレークの末に健大坂崎を撃破した。織田翔希(2年)とサウスポーの奥村頼人(3年)という本格派が投手陣の柱で、それ以外の選手も層が厚い。野手は、昨年2年生で主将を務めた阿部葉太(3年)がチームを引っ張り、経験豊富な選手が揃っている。3月7日の東京大との練習試合では、13対1で大勝して、チーム力の高さを見せつけるなど、好調をキープしている。
東洋大姫路に目を転じると、エースで右腕の阪下漣(3年)がチームの浮沈のカギとなる。スピードは、前出の石垣や織田に劣るとはいえ、抜群のコントロールで完投能力が高い。
打線は、昨秋の新チーム発足当初は不振に苦しんだ。その後、徐々に状態を上げて、明治神宮大会では3試合で10本の長打を放っている。健大高崎と横浜と比較すると、2番手以降の投手に少し不安が残るが、「紫紺の大優勝旗」を狙える戦力は整っている。
組み合わせ抽選の結果は“3強”にとって有利な結果に
組み合わせ抽選の結果、この3チームはそれぞれ異なるゾーンに入った。順当に勝ち進めば、健大高崎と横浜が準決勝で対戦する。東洋大姫路は、決勝まで健大高崎と横浜とは当たらない。
これらを考慮すると、“3強”から優勝校が出る確率がかなり高そうだが、筆者は、結論として「健大高崎の連覇」を予想する。その理由は、先ほど触れた石垣と下重の強力な二枚看板と、攻撃のバリエーションの豊富さだ。
以前、健大高崎が掲げていた「機動破壊」というスローガンは使用されなくなったとはいえ、昨秋の戦いぶりを見ると、走塁に対する意識は再び高くなっている。これに対して、横浜はレギュラーのほとんどが左打者であり、サウスポーに対して弱みを抱えている。東洋大姫路は、阪下を除く投手の安定感に不安が残る。
別の観点で言えば、横浜と東洋大姫路は明治神宮大会で勝ち進んだことで、ライバルチームに研究材料を多く与えた。これがマイナスに働く可能性も孕んでいる。これに対して、健大高崎は、昨秋の関東大会の決勝で敗れたことで、春に向けて準備を早くスタートさせている。こうした点もアドバンテージになりそうだ。
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