98歳で新作ドラマ放映! ギネスにも載ったプロデューサー・石井ふく子が明かす健康の秘訣とは

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「年齢をのことを意識されるのが好きじゃない」

 新作は温かい作風にしました。お天気も世の中もどこかおかしい中、正統派のドラマを作りました。

 家族の問題を真正面から描くドラマが減った中で、家族はすごく大事な存在なんだということを伝えたいんです。

〈主演は小日向文世(71)。定年退職したばかりの元サラリーマン・平山幸之助に扮する。戸田恵子(67)が演じる妻・史枝との穏やかな余生を楽しみにしていた。

 ところが史枝は幸之助の退職金を元手にブックカフェを開くことを計画していた。史枝の夢だったが、幸之助は猛反対。これが発端となり、家族たちを巻き込む離婚問題にまで発展してしまう。〉

 小日向さんも戸田さんもご一緒するのは初めて。ほかの出演陣にも初めての方が多いんですよ。

 キムラ緑子さん(63)、桜井ユキさん(38)、YOUさん(60)、山田杏奈さん(24)。皆さん初めてです。よく石井ファミリーとか言われますが、新作はいつも私がご一緒している方たちではない出演陣で制作したかったんです。それと、新しい方たちとのお付き合いも大切だとあらためて思ったからなんです。

 私、撮影現場でも日常でも年齢のことをことさら意識されるのが好きじゃないんです。普通に仕事をして、暮らしているんですから、年齢は関係ないと思います。

 だから「いくつになりましたか」と聞かれるのも嫌いですね。お医者さんにしっかり診てもらってますし、自分がやれないと思ったことはやらないですから。

取材・文 ジャーナリスト高堀冬彦

石井ふく子(いしいふくこ)
ドラマプロデューサー。1926年東京生まれ。住宅メーカーのOLからラジオ東京(TBS)に転じると東芝日曜劇場「愛と死をみつめて」をきっかけに橋田壽賀子の作品を手がけるようになる。また、平岩弓枝と組んで「肝っ玉かあさん」シリーズ、「ありがとう」などヒットを連発。橋田と組んだ代表作「渡る世間は鬼ばかり」は通算放送回数511回を数える。

週刊新潮 2025年3月13日号掲載

特別読物「98歳で新作ドラマ放映 ドラマプロデューサー石井ふく子さんが明かす『長生きの秘訣』」より

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