98歳で新作ドラマ放映! ギネスにも載ったプロデューサー・石井ふく子が明かす健康の秘訣とは
体に異変を感じなくても病院へ
私なりの健康法はほかにもあります。月に1回、体に異変を感じなくても必ず病院に行っています。そうすると、私自身が気付かない体の変調もお医者さんが見抜いてくれると思っています。
マメに病院に行く習慣は1939年の経験が影響しています。当時、13歳だった私は女学校の学生だったのですが、肺結核にかかってしまったのです。今になって思うと、当時は日中戦争の最中で、食糧事情が悪かったから、その影響もあったのでしょう。
あのころの肺結核は楽観できない病気でした。現在の聖路加国際病院(東京)に入院した私は、「これからは定期的にお医者さんに診てもらうようにしよう」と心に決めたのです。健康のありがたさが身に染みた出来事でした。
今の自宅のそばには大きくて評判の良い病院があります。お世話になっているのはこの病院です。ずっと通っていますから、お医者さんたちとはすっかり仲良しです。自宅の目の前を通りかかったお医者さんが「お変わりありませんか」などと声をかけてくださることもあります。
お医者さんと良い関係を築く秘訣(ひけつ)は、病院内では素直であること。お医者さんの前では自分の社会的立場などを忘れる。そうしないと、お医者さんはやりにくいでしょうから。
俳優を守るためにも……
信頼できるお医者さんが見つかったら、定期的に通うことをお勧めします。面倒くさいと思われるかもしれませんが、結局その方が安心できるんですよ。健康を損ねてしまった後では取り返しがつきません。
お医者さんに定期的に通うようになると、検査入院の機会が増えると思います。そのときのちょっとしたコツは、昼間寝ないこと。
検査入院中は昼間の空いた時間につい寝てしまいがちですが、そうすると退院後に生活のリズムが日常にもどりにくい。検査入院は具合が悪くて入院しているわけではないのですから、なるべく普段通りに過ごすべきです。
私は自宅のそばにある病院と仲が良いだけでなく、他の病院のさまざまな診療科のお医者さんとも懇意にさせてもらっています。内科、外科、眼科……。
祝日や夜間でも診てくれるお医者さんとも親しくお付き合いしています。私のためだけではありません。俳優さんを守らなくてはならないプロデューサーとして必要なことなのです。
祝日や夜間の撮影中、急に具合の悪くなる俳優さんはよくいます。お付き合いのある俳優さんから「こんなお医者さん、知りませんか」と聞かれることもあります。そんなとき、いつでも紹介できるお医者さんを知っていると、これほど心強いことはないんです。
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