中国で「7」がズラっと並ぶ携帯番号が「6000万円超」で落札も…実は“ラッキーセブン”より縁起が良いとされる3つの数字とは

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ポピュラーな理由は「発音が同じ」

 携帯電話番号が競売に出品される理由は、数字を使った縁起担ぎやステイタスのアピールが日本よりも一般的なお国柄を受け、裁判所がその価値を認めたからだ。中国では携帯電話番号の個人間売買は認められないため、合法的に入手するなら官公庁オークションが確実な手段となる。

 中国を含む中華圏で一般的に縁起が良いとされる数字は「6」「8」「9」。基本的に「何事も対」であることが良しとされるため偶数が好まれるが、奇数でも「9」は例外だ。また八卦や五行で判断する場合は奇数偶数の選り好みがない。今回の「77777777」は8つ揃った時点でゴールデンナンバーであり、地域番号に「8」が入っているのもポイントが高い。

「6」「8」「9」の場合、縁起が良い根拠としてよく知られるのは発音だ。「6」の「リウ」という発音は「流」と同一のため、順風満帆の意味合いに。「8」の「バー」は「発」の「ファー」と近いため財政的な「繁栄」。「9」の「ジウ」は「久」と同一のため、「永遠」や「長寿」の象徴とされる。

「6688」なら順調な繁栄の継続、「9988」なら永遠の繁栄と、並べたり組み合わせたりすると意味合いがパワーアップする。22年には「15666666666」がなんと開始価格1366万元(約2億8000万円)で出品されたが、残念ながら取引は成立しなかった。

カネが絡む「8」は南からやってきた?

 北京五輪の開会時間が2008年8月8日午後8時だったことから、中華圏の数字に対するこだわりぶりは国際的にも注目された。この「8」は商人が多い南の広東省を発祥とする見方がある。中国の大学教授 は、中国内地の改革開放政策により人の移動が容易になったことで、広東省の概念が中国内地に普及したとの見解を示した。

 たしかに広東語で「8」は「パッ」、「発」は「ファッ」となり、音がより近い。加えて、この地域といえば商魂たくましい商人である。「死」と発音が似ている「4」が避けられる傾向も、広東省や香港の不動産業者が内地に持ち込んだと考える向きがあるようだ。

 そんな香港では携帯番号の売買が可能で、専門業者のサイトには衝撃的な金額が並んでいる。ある販売サイトでは「8」が7つ並ぶ番号に3888万8888香港ドル(約7億5477万円)という、冗談のような価格が添えられていた。実際に売買しているかは定かではないものの、「それほどまでに大事なのだ」という証明のひとつにはなるだろう。

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