映画版も「10億円突破」の大ヒット! 「孤独のグルメ」がアジアを席巻する日 主演・松重豊は「韓国では大谷翔平よりも有名」とも
観客の「胃袋」と「心」をつかむ?
俳優の松重豊(62)が監督・脚本・主演の映画「劇映画 孤独のグルメ」の興行収入が10億円を突破したことを配給元の東宝が発表した。
【写真をみる】井之頭五郎と、「夜食テロ」ならぬ「酒飲み番組」に出演するレジェンドたち
1月1日にYouTubeで生配信した「孤独のタワーキャラバン」では、「10億行かなかったら、五郎からも監督業からも身を引きます」と。並々ならぬ覚悟をうかがわせていた松重だが、10億突破の朗報を受け《お客さまの『胃袋』だけでなく『心』も多少はつかむことができたのかなと安堵しております》と、喜びのコメントを寄せた。
「松重さんのコメントにもありましたが、映画は終映間近で、都内だと1館のみで1日1回の上映(3月14日現在)です。しかし、その直前までの公開館では集客が好調だったといいますから、上映延長もあるのではないでしょうか」(映画業界関係者)
「孤独のグルメ」は、原作・久住昌之さん、作画・谷口ジローさんの同名漫画をもとにしている。輸入雑貨商を営む下戸の主人公・井之頭五郎が、営業先で訪れた土地で見つけた食事処で、独り自由に(食べたい物を食べたいだけ)食事をする。2012年にテレビ東京系連続ドラマがスタートし、「シーズン10」までシリーズを重ねた。今回は初の劇場版で、五郎が“究極のスープ”を求めて、世界を巡る姿が描かれる。
主題歌は95年に解散した伝説のパンク・ロックバンド「THE BLUE HEARTS」のボーカル・甲本ヒロト(62)が率いるロックバンド「ザ・クロマニヨンズ」の「空腹と俺」。
松重と甲本は、東京・下北沢の中華料理店のバイト仲間で40年来の仲で、松重が直々にオファーしたことも話題を集めた。
「年末特番だと全国各地を回りますが、普段のテレビ版は首都圏の食事処でのロケがメインです。しかし、さすがに劇場版とあって予算も拡大。長崎から韓国、そして、仏・パリでのロケも敢行しました。現在、パリを拠点にしている杏さん(38)に加え、内田有紀さん(49)、磯村勇斗さん(32)、オダギリジョーさん(49)、本人役での遠藤憲一さん(63)ら、豪華キャストが脇を固めます。“究極のスープ”を求めるためとはいえ、『ありえないだろ!』と、思わずツッコミたくなる奇想天外な展開ながら、主題歌は見事にハマっていました。気になる食事の方は、訪れた各国で本場の味を堪能していますが、ある国の食事が原因で、物語は大きく展開します。思わず、現地に飛んで食べたくなるほどです」(テレ東関係者)
すでに韓国では「ゴロー」ブームが
さらにこの作品、今月から韓国、台湾、シンガポール、香港での上映が決定している。ちなみに世界初上映は、24年10月の第29回釜山国際映画祭。今作では、日本でも人気の韓国ドラマ「梨泰院クラス」に出演したユ・ジェミョン(51)も出演している。公開初日の舞台あいさつで松重は、再度訪韓する予定を明かし、「前回、韓国で取材を受けた時に『あなたは韓国で、大谷翔平より有名だ』って言われて。ですから、天狗になっていて。韓国でブイブイ言わせたい」と話していた。
「韓国では2010年に原作コミックが発売されており、ドラマも『孤独な美食家』のタイトルで放送されています。お約束のセリフ“腹が減った”や“ゴローさん!”と言う若いファンは多いです」(前出・映画業界関係者)
そもそも韓国では「食事はみんなでするもの」という文化があり、1人で気軽に入れるような店がなかった。ところが、2015年ごろから、「お一人様ごはん」を意味する「ホンバプ」という言葉が流行りだし、五郎のように、一人で気ままに食事を楽しむようになっている。
「世界的なコロナ禍が、その流れを後押ししたこともありましたが、23年3月16日に行われた日韓首脳会談の二次会で、当時の尹錫大統領が『孤独のグルメ』を話題にしたことには驚きました。すでにドラマが人気になっているだけに、韓国では上映後、新たなブームを巻き起こすのではないでしょうか」(同)
[1/2ページ]