専門医が厳選した「10の抗がん食材」とは? お勧めの食べ方、効果まで徹底解説
イワシなどには良質な脂質が
(6) キノコ
キノコに含まれるβグルカンという成分には免疫力を高める働きがあり、がんなどの予防に効果を発揮します。キノコを最も多く食べていたグループは、最も少ないグループよりがんの発症リスクが34%低減するという分析結果が出ています。
(7) 脂ののった魚
イワシなどには、良質な脂質といわれるオメガ3脂肪酸が豊富で、そのオメガ3脂肪酸はがんの原因となる炎症を抑える働きがあります。オメガ3脂肪酸の摂取量が最も多い人と最も少ない人を比べると、前者の方が、乳がんで14%、肺がんで21%、すい臓がんで30%リスクが低減したという研究結果があります。
(8) 海藻
わかめや昆布などの海藻に含まれるフコイダンという成分には、がん細胞の増殖を抑える抗腫瘍効果や、血管新生を妨げる効果があり、また、がんと戦うための免疫細胞の活性を高めてくれます。さらには、抗がん剤などのがん治療薬の効果を高めてくれるという報告もあり、とりわけがん治療中の方にお薦めの食材です。
(9) トマト
トマトに豊富に含まれることで知られるリコピンには、強力な抗酸化作用があり、細胞のがん化を抑制してくれます。リコピンを多く摂取した方は、前立腺がんの発症率が低く、リコピンが卵巣がんの増殖や転移を抑制するとの実験結果も報告されています。
(10) ニンジン
ニンジンに多く含まれるβカロテンには抗酸化作用があり、ニンジンを最も多く食べたグループは、最も少ないグループに比べて肺がんリスクが42%低下するとの研究解析報告が存在します。
サラダや刺身で
以上が、私が推薦する「10の抗がん食材」です。
どれも、みなさんにとって身近な食材だと思います。「そんな食材、食べたことがない」というものはひとつもないはずです。むしろ、普段からよく食べている食材が多いのではないでしょうか。
なにも特別な食材を食べる必要はなく、日常的に接している食材こそが、がんの予防などに役立つ。つまり、実は私たちの周りには抗がん食材が溢れているのです。このことを、ぜひ知っていただきたいと思います。そして「10の抗がん食材」を、できれば毎日二つくらいは食卓に取り入れてみてください。
食べ方としては、食材に含まれている成分を丸ごと摂取するには「生」が一番ですから、サラダやお刺身がお勧めです。
調理するのであれば、できるだけ低温がいいでしょう。揚げるなどの高温調理をすると、AGE(終末糖化産物)という老化を促進させる物質が発生し、がんにつながるとされています。
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