専門医が厳選した「10の抗がん食材」とは? お勧めの食べ方、効果まで徹底解説

ドクター新潮 ライフ

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 必ずしも不治の病ではなくなったとはいえ、いまだに日本人の死因トップは「がん」である。故に、長生きするためにはがんを防ぎ、がんと闘える体づくりが欠かせないわけだが、普段の食事で無理なくそれができるとしたら……。専門医が「10の抗がん食材」を厳選。

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〈これを食べたらがんが消えた!〉

 みなさん、こうした情報に接したことはないでしょうか? しかし残念ながら、そのような“魔法の食材”は存在しません。

 たしかに、がん患者さんの中には、標準治療を受けずに治ったという経験をされる方がいます。これを自然寛解と言い、その患者さんがよく摂取していた食材が、〈これを食べたら〉と喧伝されたりするわけですが、その食材と自然寛解の因果関係ははっきりしません。また、そうした患者さんは例外中の例外で、可能性としてゼロではないけれど極めて低い。従って、〈これを食べたら〉という情報をうのみにするのは、医師としては勧められません。

 しかし一方で、摂取することによってがんを遠ざける、あるいはがんになったとしても長生きしやすい食材が存在することもまた事実です。その象徴が「10の抗がん食材」です。

〈こう解説するのは、帝京大学福岡医療技術学部教授の佐藤典宏氏だ。すい臓がんを中心に、これまで1000例以上の外科手術を行ってきた、日本外科学会専門医・指導医で、がん治療認定医でもある佐藤氏は、「がんと食事」に注目し、啓発活動を続けてきた。

 その佐藤氏が、日本人の2人に1人ががんになるという現状に警鐘を鳴らすべく解説を続ける。〉

「何を食べても、がんには関係ない」と言う医師もいるが……

 国立がん研究センターが2022年に発表した研究によると、日本人のがんの要因は、「その他」を除くと、1位は「(ピロリ菌などへの)感染」で16.6%、2位が「喫煙」の15.2%、3位が「飲酒」の6.2%で、食事関係は3.7%となっています。これを受け、「結局何を食べたって、がんにはほとんど関係ない」と言う方が、医師の中にもいます。現在、新規のがん患者は毎年約100万人程度で、そのうちの3.7%なんてほとんど無視しても構わないだろう、何を食べたところでたかが3.7%なんだから、と。

 しかし、私はそうは考えません。なぜなら、この研究結果は、あくまでがんの「大きな要因」であり、実際には、がんは「複合的な要因」によってもたらされることが多い病気だからです。

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