「トランプ詣で」参加の有名ゴルフ選手が激白「ホワイトハウスでさらに時間を費やしたいとは思わない」 PGAとリブゴルフの統合は「ディール終了」か

スポーツ

  • ブックマーク

言葉を濁すモナハン会長に苛立つメディア

 肝心のモナハン会長は何をどう語ったのか?

 米メディアいわく、「モナハン会長は具体的なことは何も語らず、何も明かさなかった。彼が口にした返答は『PGAツアーの立ち位置は以前も説明した』『これ以上、お伝えできることはない』『私はPGAツアーのことだけに集中しているし、PGAツアー以外のことは私にはコントロールできない』という3種類だけだった」。

 2度に亘ったホワイトハウス訪問、そしてその後も、統合交渉はまとまりそうな気配も見通しもないということなのだろう。

 しかし、言葉を濁し続けるモナハン会長に苛立ちを抑えきれなくなった米メディアも、ついに「ディールは、もう終わりにしていいのでは?」と発信し始めている。

 たとえば、米誌「スポーツ・イラストレイテッド」は、こんな論調だった。

「最初のうちは、PGAツアーが目指すゴールはリブゴルフを消滅させること、あるいはゴルフのメジャーな世界から追放することなのだろうと思っていたが、もはや、それらを目指しているという話はどこからも聞かれなくなった。そして今はPGAツアーもリブゴルフも、人々を惹き付けるタイガー・ウッズ級のスターを欠いている状態で、どちらも苦戦している」

待たれる「ディール終了」宣言

 現状では、どちらもスター選手不在だが、PGAツアーはSSG(ストラテジック・スポーツ・グループ)とパートナーシップを組んだことで、すでに15億ドルの投資を得た。「資金」「財源」という意味では、もはやPIFからのサポートを得られなくても未来は安泰になっている。

 それでもなおPIFとの統合が必要か、交渉を続けるべきかと問われたら、その答えは「イエス」か「ノー」か。

 マキロイもスコットも「必要ない」。そして、米メディアも「必要ないのでは?」と言い始めている。

 リブゴルフに行った選手がPGAツアーに戻り始め、財源も確保でき、PIFに求めるものが見当たらなくなった今、確かに「ディールは不要」と思える。

 そして、スコットらが指摘しているように「ディールは永遠に成立しない」のだとしたら、このあたりで「ディールは終わりだ」と宣言していただきたい。

 そう、うんざりしているのはトーマスだけではない。いい加減、すっきりさせてほしいというのは、みんなの願いである。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。