「トランプ詣で」参加の有名ゴルフ選手が激白「ホワイトハウスでさらに時間を費やしたいとは思わない」 PGAとリブゴルフの統合は「ディール終了」か

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トランプ大統領の介入も「不要」か

 タイガー・ウッズらとともに、PGAツアーの選手理事として、いやいや、その代表格として、実際にPIFとの交渉に当たってきたスコットが「永遠に可能にならない」、つまり「不可能」だと感じているという告白は、ゴルフ関係者を驚かせた。

 重大発言をしたスコットは、タガが外れたかのように、こんな言葉も付け加えた。

「ワシントンDCを訪れ、ホワイトハウスの中で何がどう行われているかを間近に眺めたことは、とてもいい経験になった。でも、あの場所で、さらに時間を費やしたいとは思わないし、そうする必要もないと僕は思う」

 言い換えると、スコットはPGAツアーとPIFあるいはリブゴルフとの問題解決において、トランプ大統領の介入を「不要」「望まない」と感じているという意味なのだろう。

 かつて「15分で解決する」と豪語したトランプ大統領に、さらなる協力を求めてミーティングを繰り返したとしても、「永遠に解決にはいたらない。だからそれは無駄になるだけだ」とスコットは示唆していたのだと私は思う。

「もはやディールは必要ない」とマキロイ

 PGAツアーとPIFとの交渉役として「交渉分科会」の委員に抜擢されているローリー・マキロイは、プレーヤーズ選手権の前週に開催されたアーノルド・パーマー招待の週から「PGAツアーにとって、PIFとのディールはもはや必要ないと思う」と、独自の見解を口にしていた。

 マキロイは、かつてリブゴルフへ移籍した英国人選手のローリー・カンターが欧州のDPワールドツアーを経て、PGAツアーが誇るプレーヤーズ選手権への出場資格を得た「出戻り例」などを考慮したのだろう。

「もはやディールは必要ない。PGAツアー選手とリブゴルフ選手が同じ舞台で戦える機会が増えれば、それでいい」

 マキロイは、そう言い切った。

 存在意義も競技形式もまったく異なる2つのツアーを、無理やり統合させるための合意点や妥協点を探すより、どちらのツアーの選手も同じ舞台に立てる機会を創出するほうが、より現実的でスピーディーだということなのだろう。

 PGAツアーにもPIFにも「顔が利く」「交渉役に適任」と言われ、自身もやる気満々で交渉に当たっていたマキロイが「交渉は必要ない」と言ったことは、きわめて衝撃的だ。それが引き金となって、翌週はスコットやトーマスも本音を語るようになったのではないだろうか。

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