「トランプ詣で」参加の有名ゴルフ選手が激白「ホワイトハウスでさらに時間を費やしたいとは思わない」 PGAとリブゴルフの統合は「ディール終了」か

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「疲れた」いうレベルを超えている

「第5のメジャー」と呼ばれるプレーヤーズ選手権は、PGAツアーが誇るシグネチャー・イベントの1つであり、PGAツアーを象徴するフラッグシップ大会でもある。

 世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーをはじめ、トッププレーヤーの大半がフロリダ州ポンテべドラビーチのTPCソーグラスに集結。しかし、選手たちの口からは、気になる言葉が多々聞かれた。

 メジャー2勝を含む通算15勝を挙げている31歳の米国人選手、ジャスティン・トーマスは、開幕前、米メディアに対し、こう語った。

「もはや僕たちは『疲れた。消耗した』というレベルを超えている。これまでのさまざまなやり取りは何も活かされず、無駄になっている」

 リブゴルフが実際に始動したのは2022年6月のこと。PGAツアーのジェイ・モナハン会長と、リブゴルフをサポートしているサウジアラビアの政府系ファンド「PIF(パブリック・インベストメント・ファンド)」のヤセル・ルマイヤン会長はその翌年の6月、電撃的に「統合合意」を発表して、ゴルフ界を大揺れさせた。

 以後、PGAツアーの選手理事が主体となって、PIFとの統合交渉を進めてきたが、いつまで経っても、進展も合意も得られない日々が続いている。

 終わりがなかなか見えないその状況に、トーマスは業を煮やし、もはや我慢の限界を超えていることを言葉にしたのだと思う。「『疲れた』を超えている」という彼の言葉は、まさにゴルフファンの気持ちを代弁したものと言っていい。

スコットが上げた「高いハードル」

 トーマスの言葉は、混沌としているゴルフ界の現状に対する愚痴だと受け取られ、聞き流されてしまっても仕方がないのかもしれない。だが、選手理事の1人であるアダム・スコットの言葉となると、格段に現実味が高まり、聞き流すことはできなくなる。

 今年2月、スコットはモナハン会長とともにホワイトハウスを2度も訪れ、ドナルド・トランプ大統領とのミーティングに参加した。

 ミーティング終了後、モナハン会長は討議の内容や交渉の進展といった具体的なことは一切明かさなかったが、「ディール(の成立)は近い」と笑顔で語った。

 しかし、プレーヤーズ選手権開幕前に会見に臨んだスコットは、モナハン会長の言葉とは正反対の意味合い となる言葉を口にした。

「そもそもPGAツアーとリブゴルフは、異なる要素が入り混じる2つのツアーであって、この交渉話はそこから始まっているところが、コトを難しくしている。統合する場合、個人プレーとチームプレーをどう扱うか、リブゴルフの選手をどうやってPGAツアーに復帰させるか。さまざまな高いハードルがある。選手やメディア、ファン、みんなを満足させてバランスを取ることは、あまりにも難しく、交渉をまとめることは永遠に可能にならないと思う」

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