「どこが面白いのかさっぱりわからない」という視聴者も…23歳の「R-1」新王者、非凡なセンス

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ピン芸日本一を決定

 3月8日、ピン芸日本一を決める「R-1グランプリ2025」(関西テレビ・フジテレビ系)が生放送された。審査員を務めたのは、陣内智則、バカリズム、小籔千豊、野田クリスタル(マヂカルラブリー)、ハリウッドザコシショウ、友近、佐久間一行の7名。霜降り明星の2人と広瀬アリスが司会を務めた。

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 予選を勝ち抜いて決勝に駒を進めたのは、ヒロ・オクムラ、チャンス大城、田津原理音、ハギノリザードマン、ルシファー吉岡、吉住、さや香・新山、友田オレ、マツモトクラブの9名。順番にネタを披露して、合計得点の高かった田津原理音、ハギノリザードマン、友田オレの3名がファイナルステージに進んだ。

 ファイナルステージでそれぞれが2本目のネタを披露した後、審査員7名による決選投票が行われた。その結果、7票中5票を獲得した友田オレがチャンピオンに輝いた。友田は23歳という若さで優勝を果たし、霜降り明星の粗品が持っていた「R-1」の最年少優勝記録を塗り替えた。

 過去の「R-1」王者である田津原理音、「女芸人No.1決定戦 THE W」チャンピオンの吉住、「R-1」で何度も決勝に進んでいるルシファー吉岡やマツモトクラブをはじめとして、ファイナリストには友田よりも芸歴が長い強豪が名を連ねていた。そんな中で彼が優勝することができた理由は何だったのか。

 その理由をひとことで言うなら、ネタが面白かったから、ということに尽きる。ただ、「R-1」で決勝に残るような芸人は、全員が例外なく面白いに決まっている。その精鋭揃いの中で友田が特に高い評価を受けたのはなぜだったのか。それは、彼が決勝で見せた2本のネタが単に面白いだけではなく、挑戦的でハイクオリティなものだったからだ。

 友田はオリジナルの歌をベースにしたネタを演じた。1本目では架空の演歌歌手になりきり、2本目では「友田オレ」本人として歌っていた。どちらにも彼独自のとぼけたセンスが感じられた。

 お笑いのネタには一種のセオリーのようなものがあり、こう来たらこう返す、といった原理原則がある程度は決まっている。ただ、闇雲にそれに従っているだけでは、小さくまとまった物足りないネタになってしまう。

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