「超エリートだったが、不登校になり30年間無職生活」 大津タワマン夫婦殺傷、50歳長男の変貌 「高校3年時に“壊れた”」

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 やはりというべきか。白昼に起きた凶悪事件で指名手配されたのは「息子」だった。

 先月25日の昼間。滋賀県大津市のJR大津京駅に隣接する38階建てタワーマンションで、住人の岩崎安三(やすぞう)さん(78)が死亡し、妻の公恵さん(74)が血まみれで倒れているのが見つかった。

 事件発覚から9日後の3月6日、滋賀県警は、公恵さんへの殺人未遂の疑いで、無職の岩崎真(まこと)容疑者(50)を公開手配した。被害者夫婦の息子である。

不審人物はすぐに特定

 社会部デスクが語る。

「事件当日の午前11時55分ごろ、11階のエレベーターホールで公恵さんが倒れているのを見つけたタワマンの関係者が110番通報。同じ階の岩崎さん宅は施錠されていて、警官が2時間後に解錠して入ると安三さんが倒れていた。その場で死亡が確認されました」

 被害者は共に頭部と顔面に複数の傷があり、

「公恵さんは脳挫傷や出血性ショックで一時、意識不明の重体となりましたが、命に別状はないといいます。安三さんの死因は鈍器などで頭に強い衝撃を与えられた頭蓋内損傷でした。タワマンはオートロックでコンシェルジュ常駐ですし、防犯カメラもエレベーターや玄関などあらゆる場所に設置されている。防カメの映像によって、不審人物はすぐに特定されました」

 事件直後から息子の行方がつかめない状態が続いていたため、県警は逮捕状を取り、公開手配に踏み切ったのだ。

地元で“岩崎一族”と呼ばれる名家の出身

 容疑者はJR大津京駅から2駅、比叡山坂本駅近くのアパートで一人暮らしをしていた。が、事件後に立ち寄った形跡はない。

 事件直後から、県警は同駅付近の防カメを総ざらいし、周辺のタクシー会社には事件当日の日報などの提出を依頼。先月27日時点で、公開された顔写真や全身写真入りのチラシを携え飲食店への聞き込みも行っていた。

「それでも見つからないのは、“人目につかない場所で自ら命を絶ったりしているからではないか”と言う人もいます」

 そう話す安三さんの古い知人によれば、

「安三さんは地元で“岩崎一族”と呼ばれる名家の出身です。一族は明治時代創業の畳屋を営み、代々、地元の商工会や祭り関連の顔役を務めてきた。3代目の弟の安三さんは畳屋に入らず市役所勤めをし、支所長のポストで定年退職。それを機についのすみかとしてくだんのタワマンを買い、50年以上暮らした戸建てを売っています」

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