「シャンパン代が…」「姉の彼氏が売掛けを残して…」高田馬場刺殺事件は「新幹線通い」から始まった 容疑者が迷い込んだ“ATM無心地獄”
なぜ男は刃物で30箇所もメッタ刺しするほど被害女性に恨みを募らせたのかーー。東京・高田馬場の路上で“ライバー”の佐藤愛里さん(22、芸名・最上あい)が殺害された事件。殺人容疑で逮捕された高野健一容疑者(42)が、1年7カ月前に佐藤さんを相手取って起こした裁判で主張していた金銭トラブルの詳細が分かった。佐藤さんに惚れ込み、勤務先の飲食店に通うようになり、しまいに便利な「ATM状態になってしまった」というのである。
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【写真を見る】事件の前日、笑顔で配信者仲間と「コラボ配信」する「最上あい」さんの様子
キャバクラで対面してから始まった「ATM通い」
高野容疑者は2021年12月頃、佐藤さんとライブ配信アプリ「ふわっち」で知り合ったとされる。当初はアプリ上でコメントを交わし合う “リスナー”(視聴者)と“ライバー”(配信者)の関係だったが、22年夏頃からネットの垣根を超えて直接会うようになった。
「連絡先を交換した後、2人が初めて会ったのは佐藤さんの勤務先だった山形県山形市内の飲食店でした。栃木県小山市に在住していた高野容疑者は佐藤さんに会いにいくため、新幹線で山形に通うようになったのです」(トラブルの詳細を知る関係者)
数回続いた“店内デート”では特に問題は起きなかったという。だが、直に会って距離が近づくうちに佐藤さんは借金を申し込むようになったようだ。
「最初は『出かけ先で財布を無くしてしまった』『携帯が止まりそう』と言われ、高野容疑者は助けたい一心で2~5万円を数回貸してしまったようです。金の受け渡しは佐藤さんが指定してきた銀行口座への振り込みだった」(同)
「姉の彼氏が売掛けを残して姉と一緒に蒸発した」と泣きつかれ…
連日のように佐藤さんから無心は続き、次第に要求金額は大きくなっていった。
「1週間くらいすると『携帯代金に加え、家賃や光熱費の支払いに困っている』と。朝8時までに必要とねだられ十数万円を振り込むようにもなった」(同)
佐藤さんは勤務先での“トラブル”も無心の理由にしてきたという。
「『オーナーから強制的にシャンパンを開けさせられ、10万円が必要』『姉の彼氏が売掛けを残したまま姉と一緒に蒸発して、自分が債務を被らなければならなくなった』とも言ってきたようです」(同)
佐藤さんとつきあいたいと夢中になっていた高野容疑者は、言われるままにATMに通っては10万円、50万円と振り込み続けたようだ。
佐藤さんの要求は次第にエスカレート。“具合が悪くて吐血した”“このままでは体を売らなくてはならなくなる”…。
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