宮城でも今井でも高橋宏でもなく…MLBが次に狙う意外な投手 今オフ渡米要求でも「拒絶できない」球団事情とは?

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西武は今井慰留断念か

 今井もチームメートである高橋光成投手らとともにメジャー志向が強く、既に球団は慰留が困難とみていると囁かれる。西武は松坂大輔投手(元レッドソックス)に始まり、直近では菊池雄星投手(エンゼルス)とポスティング移籍に寛容だった経緯もある。

「最近のメジャーでは先発投手を増やし、(従来の中4日よりも)登板間隔を空けて故障予防などに努める傾向が強くなっています。有力投手の需要は一層、増しています。これまで日本投手がメジャーで成功してきたことや(23年に)WBCで優勝したことで各球団、2人が市場に出てきた時には満を持して参戦してくるでしょう」

 こう予想した前出のスカウトは、さらに言及を続ける。

「2人以外にもまだ(メジャー予備軍は)いますよ。それも2人よりも早く市場に出てくるかもしれないと思われている投手が……」

 それがオランダ代表との強化試合第2戦に先発したロッテの種市篤暉投手(26)なのだという。

 青森・八戸工大一高からドラフト6位でロッテに入団。23年の10勝がキャリアハイだが、佐々木が去った今季は押しも押されもせぬエースへの成長が期待されている。低めにうなりを上げる150キロ超の速球はメジャークラスだ。国内FA権取得は最速で29年オフ。前年の28年オフにメジャー挑戦となれば、あと4シーズンは日本でプレーすることになるのだが……。

佐々木を認めたなら

 前出のスカウトは、種市のメジャー挑戦が大幅に前倒しされる可能性に言及する。

「ロッテは朗希に入団5年でポスティング移籍を認めているので、同じく高校から入ってきた種市にも認めなければ整合性が取れません。種市が佐々木のケースをタテに取って渡米を要求した時、球団は拒絶する理由を持ち合わせていないのではないでしょうか」

 ロッテは昨年11月、佐々木のポスティング移籍を容認すると発表した。チームの優勝に貢献するどころか、年間を通じてローテーションを守ったことがない佐々木に対し、特例と言える措置を講じたことで、プロ入り時の密約説があったのではないかと疑惑の目が向けられた。

 球団、佐々木サイドともに密約説は否定した。ロッテの松本尚樹球団本部長は早期渡米を認めた理由を「総合的判断」と表現した。同時に「早く行って勝負したい、若い年齢で勝負したいと入団当初から言っていた」という佐々木の熱意を尊重したことを明かしている。「これでポスティング移籍が認められるなら、種市がメジャーの夢を語ってきた場合も当然、認めざるを得ないでしょう」とのスカウトの言葉はもっともだ。

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