「今やるべき話なのか?」の声も 「選択的夫婦別姓」議論に表れる与野党の思惑 国民&維新は「立民との共闘はない」と明言
高校授業料や学校給食の無償化、年収の壁に関する攻防の一方で、選択的夫婦別姓制度に関する与野党の議論はどうなっているのか。
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【写真を見る】自民党にも賛成論者はたくさん… 「選択的夫婦別姓」推進派は?
永田町では「今やるべき話なのか?」の声も
「新聞やテレビの世論調査では、回答者の約半数が導入の可否ではなく“旧姓の通称使用拡大”を選んでいます。国民的な関心は決して高いとはいえません」
とは政治部野党キャップ。
「永田町でも“今やるべき話なのか?”との声は少なくありませんが、立憲民主党の野田佳彦代表はどこ吹く風。2002年に民主党代表選に出馬した際、公約に別姓制度を盛り込んだほどの筋金入りで、及び腰の自民党と一線を画す公明党に接近し、連立にくさびを打ち込もうと躍起です」
野田氏は先月24日の党大会で「戦闘モードに入りますよ」と、与党との対決姿勢をあらわにした。その2日後には、市民団体の集会で次のように鼻息を荒らげた。
「“公明党さんを含めて、与党側の多くの皆さんにもご賛同を頂けるようにしたい。自民党の中にも賛成論者はたくさんいる”という具合。公明党の矢倉克夫参院議員も出席し、野田氏の思惑が透けて見えました」
本質的な議論は二の次
そもそも、導入が議論された原点は不都合を生じている人の救済だったはず。
「それが今では“別姓を希望する夫婦の子の姓の決め方”が最大の焦点と化しています。与野党ともに、本質的な議論を怠ってきたからに他なりません」
過去に立民が共産党などと提出した民法改正案は、“父母で子の姓を決めかねる場合は家庭裁判所で審判できる”などとしているが、
「家裁は何を基準に判断するのか、そもそも家裁に判断可能なのかとの疑問は残ったまま。無責任ですね」
立民内には「名前は無限にある中から選ぶのに、夫婦どちらかの姓を選ぶなんて簡単なこと」との浅薄な声も。他方で「行き過ぎた個人主義は世論の理解を得られない」「議論の進め方が稚拙」との不満もくすぶる。
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