正念場を迎えた「前田健太」に集まる熱視線…完全復帰が「投手・大谷翔平」復活の試金石に

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クセを逆手にとって

 前田は医学的には「復活した成功例」に位置づけられるそうだが、現状に満足しているわけではない。4回途中55球無失点と好投した先のレイズとのオープン戦では、今までとは違うテクニックも見せていた。

 3回2アウトで迎えた9番打者との対決だった。味方捕手の出したサインに何度か首を振り、前田が選択した球種はストレートだった。高めに浮いたボール球だったが、球場のスピードガンは93マイル(約150キロ)を掲示していた。

「その後に投じたスプリットで空振り三振を奪いました」(前出・同)

 クセの分析も進んでいるメジャーリーグでは「前田が首を振った後に投じるのは変化球」と言われている。今まではそれでも相手バッターを仕留めることができていた。しかし、ベテランが選択したのは、クセを逆手に取ったテクニックだった。

 前田は93マイルを記録したことに安堵していたが、メジャーリーグの平均球速は91.9マイル(約147.8キロ)だ。春先なのでまだ速くなるはず。平均球速を超えたことが完全復帰の兆しだとすれば、最新術式を持ってしても、投手が本領を発揮するまでには「実戦登板してから、さらにもう1年」が必要なようだ。

 生き残りを掛けた前田の投球を、大谷はどう見ているのだろうか。

デイリー新潮編集部

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