正念場を迎えた「前田健太」に集まる熱視線…完全復帰が「投手・大谷翔平」復活の試金石に
マエケンの試練
「マエケン」ことデトロイトタイガースの前田健太(36)が、3月10日(現地時間)のヤンキースとのオープン戦に先発し、初回に3本塁打を浴びるなど4回被安打7失点5と炎上してしまった。試合後、タイガースのA.J.ヒンチ監督(50)は強風に見舞われた天候を指して、「こういう日に評価をするのは難しい。いくつか空振りも取れていたしね」と前田をかばった。
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「前回登板の3月4日の投球内容が良かったからですよ。当初、前田は先発ローテーションの最後の1枠である5番手を複数の若手と争う図式でした。でも、ローテーション入りが確実視されていたアレックス・カッブ(37)がケガをしてしまい、前回好投した前田に期待する向きが強まっていたんです」(現地記者)
前田にとって、起用法が決まらないままキャンプインするのは、メジャーリーガーとなって初めての経験だ。昨季の「3勝7敗、防御率6点台」の成績はMLBでの実働9年でワースト。今年4月に37歳になる 年齢も考えれば、「正念場」と言えるだろう。
「予想されるタイガースの先発枠ですが、昨季サイ・ヤング賞のタリク・スクーバル(28)、ドジャースから加入したジャック・フラハティ(29)、3番手以降はリース・オルソン(25)の3人は確実。先発5人枠の残り2席を、若手有望株のジャクソン・ジョーブ(22)、ケイシー・マイズ(27)、マット・マニング(27)、キーダー・モンテロ(24)らと争っています」(米国人ライター)
気になるのは、先発枠争いで前田が敗れた場合だ。昨季は先発でスタートしたが、結果を残せず、途中からリリーフにまわった。MLB公式データサイト「Fangraphs」の成績予想では、今季の前田は57試合登板、3勝3敗、防御率3.84、WHIP1.18とあり、「成績は持ち直す」と評されていた。しかし、「57試合登板」とあるように、これはリリーバーとしての成績だ。
「前田の代理人は強気な交渉で有名なスコット・ボラス氏(72)です。その甲斐もあってか、彼はフラハティ、カッブに次ぐチーム3位の高給取りです。若手投手の台頭が著しいタイガースが『2年総額2400万ドル(約35億3600万円)』のベテランをブルペン待機させておくとは思えません」(前出・同)
先発ローテーション争いに敗れたら、解雇もあるのか……そうなるとMLB他球団が獲得に名乗りを上げる可能性も高いが、同時にNPB各球団による争奪戦や、古巣の「広島カープ帰還の待望論」も湧き上がってくるだろう。広島ファンの間では、15年1月にチームに帰還し、17年のリーグ優勝を花道に引退した黒田博樹氏(50=球団アドバイザー)と「前田のこれから」を重ねる声も囁かれている。前田もカープ愛の強い選手だが、米メディアの見方は異なる。
「昨季の成績低迷の原因追及、今季どこまで復活できるのかに興味を持っています」(現地記者)
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