やっぱり酷評「メーガン妃のネトフリ番組」 英米の批判に見える“お国柄”と、“美談”に使われた意外な“日本の伝統工芸”とは
力業で持ち出された「まさかの日本」
実際に視聴すると、ゲストとの何気ない会話を隙あらば「示唆に富んだいい話」にもっていこうとする意欲をひしひしと感じる。エピソード2のように「会話の流れより自分の主張が優先」という姿勢もセットになった力業のため、万国共通の拒否感につながっているのだろう。そこで日本が注目すべきは、エピソード7「日々のひと手間」だ。
ゲストのヴィッキー・ツァイ氏は、2009年に日本産の原材料やデザインイメージを取り入れたスキンケアブランドの立ち上げで話題を呼んだ台湾系米国人。番組ではメーガン妃とギョウザを作りながら、起業の経緯を振り返った。自分が安心して使えるものを作るため、年配者から日本のフィロソフィーや美、文化、食べ物などについて学んだという内容だ。「日本の美に対するアプローチで高く評価しているのは、健康に関すること」と真摯に語る。
すると、マニキュアを塗った指でギョウザ作りに励んでいたメーガン妃は、「あなたが私に教えてくれたのよ」と話を遮った。そして呼吸を整えると「もし貴重で価値のあるものを壊したとしても、それは壊れたわけじゃない。その割れ目はそれをもっと美しくする、とね」「つらいことを経験したとしても、壊れたわけじゃない。ちゃんと修復できる」「むしろそれが人を美しくする」と熱く語った。
英紙がこれを「王室での出来事を経た自分の話」と指摘するのは当然だが、日本の見どころはその先だ。メーガン妃は結論として「間違ってるかもしれないけど……『キツンゲ……キンツギ』」と言い放ったのだ。
「キンツギ」とは割れた陶磁器などを修繕する日本の伝統工芸「金継ぎ」のこと。立ち直った自分は「金継ぎ」された陶磁器のように美しいという「いい話」ではあるが、力業で持ち出された「突然の伝統工芸」には驚きを禁じ得ない。せめて「キンツギ」と間違えずに言っていただければよかったのだが。なお、「ウィズ・ラブ、メーガン」シーズン2は今秋の配信開始が決定している。(文中の発言は英語版を訳したものです)
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