やっぱり酷評「メーガン妃のネトフリ番組」 英米の批判に見える“お国柄”と、“美談”に使われた意外な“日本の伝統工芸”とは
メーガン妃のNetflixシリーズ「ウィズ・ラブ、メーガン」が4日から配信された。英米メディアの報道を見ると予想通りの大不評だが、英国と米国では目の付け所が微妙に異なるようだ。しかも実はこのシリーズ、日本にとっても少し気になる発言が隠されている。
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明確な「比較対象」が存在する米国
Netflixの紹介ページによると、「ウィズ・ラブ、メーガン」は「友人や著名なゲストを美しいカリフォルニアの邸宅に招き、料理やガーデニング、おもてなしのコツを披露する」というライフスタイル番組。予告編からすでに不評で、配信後も中身のなさと止まらない自己主張に対する批判が大勢を占めている。
米批評サイト「ロッテントマト」の視聴者レビューでは「平凡で不自然で退屈」「Netflixはなぜこの番組に金を出したのか」といった批判の間に、「生活に取り入れられるヒントやコツを多く学んだ」「批判は番組ではなくメーガンに向けられている」といった擁護が挟まる乱戦状態だ。
米メディアでは比較対象を挙げた批判が目を引く。米誌「バラエティ」のダニエル・ダッダリーロ氏は同誌ウェブ版で、マーサ・スチュワートやアイナ・ガーテンといった米ライフスタイル界の大御所を挙げ、「メーガンにはスキルが足りないのか、それとも表にするのを我慢しているのかは不明だが」とした上で、内容の薄さが目立ち、番組の大部分が「メーガンを盛り上げることに費やされている」と断じた。
予告編の時点から、米メディアではマーサ・スチュワートらの名前を挙げた批判が掲載されていた。何事も「実力主義」の米国らしい批判といえる。
王室ヌキには考えられない英国
主に英国側と王室ファンが反応したのはメーガン妃の発言だった。エピソード2「私流のおもてなし」では、俳優のミンディ・カリングが「あのメーガン・マークルが」という言い回しを使う。するとメーガン妃は「今の私が『サセックス』だと知っているでしょう」と、鋭く反応。楽しく話していたファストフードの話を強制終了させ、「子どもと同じ名前」を名乗る重要性を熱く語り始めた。
「『これは私たちの家族の名前です』と言うことは、とても大切で、意味深いことだと感じる。『私たちの小さな家族の名前です』と」
エリザベス女王とフィリップ殿下の直系子孫は「マウントバッテン=ウィンザー」姓であり、メーガン妃の子どもたちも出生届はこの姓だ。「サセックス」姓の由来となった「サセックス公爵」は地名由来の爵位だが、英王族が爵位や称号を暫定的な名字とするのは長年の慣習。父チャールズ国王がプリンス・オブ・ウェールズ(皇太子の称号)だったころ、ヘンリー王子は英軍で「ヘンリー・ウェールズ」だった。ただし、メーガン妃のように直系血族ではない人物が名乗ることはほぼないという。
2020年にヘンリー王子が会社を立ち上げた際、関係書類に「マウントバッテン=ウィンザー」姓がなく、「王室との関係を完全に断ち切る意図か」と物議を醸した。そしていま「サセックス」姓を強く主張したメーガン妃については、「王室への決別宣言」「王室のイメージをまだ利用するつもり」など、その真意が取り沙汰されている。
英国の専門家らは、全編にわたる「完璧な自分」アピールについても推測している。ブランディングの専門家は英紙「ザ・サン」に対し、「王室脱退は正しい決断だったと主張しているようだ」と述べた。最終回で自身の「クリエイティビティと自由」を取り戻したと喜ぶシーンなど、王室へのメッセージが随所に隠されているという。どこまでも王室を絡める批判はさすが英国である。
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