空中分解懸念の阪神藤川、G阿部には“ゴジラの影”…セ・リーグ監督6人のアキレス腱とは
日本プロ野球のレギュラーシーズンが、今月28日に開幕を迎える。セ・リーグ6球団の監督はそれぞれ、強みとともに“アキレス腱”を抱えている。
【写真を見る】闘将・星野監督は5位にランクイン プロ野球監督別リーグ優勝回数BEST10ランキング
コーチ経験なしでいきなり監督就任もヘッドを置かず
まず最も采配ぶりを注目されるのは、阪神の藤川球児新監督だろう。現役時代には打者の手元で伸びる“火の玉ストレート”を武器に、日米通算245セーブを挙げた藤川監督。2020年限りで現役を退いて以降、評論家や球団本部付スペシャルアシスタントとして活動していたが、コーチ経験は一切積まないまま、今年から監督の座に就いた。
就任後、昨年まで主に4番を務めていた大山悠輔内野手を5番、プロ3年目の森下翔太外野手を4番に置く新打線を組むなど、独自色を打ち出している。21歳の前川右京外野手も、レギュラーの座獲得へ向けて快打を連発しており、フレッシュな新風を吹き込みそうだ。
「新指揮官自身がリリーフ投手として一時代を築いた人ですし、手腕に定評のある金村暁投手コーチも3年ぶりに復帰。投手起用はうまくやるでしょう。不安はやはり、コーチ経験なしで監督の座に就き、しかもヘッドコーチを置いていないことです。コーチ経験豊富で昨年まで岡田彰布前監督の下で2年間ヘッドを務めた平田勝男氏(現2軍監督)の留任が大方の予想でしたが、藤川監督はそうしなかった。藤本敦士総合コーチがヘッドに近い立場でしょうが、シーズンに入ってから藤川監督が独断専行し、空中分解するのではないかと心配されています」(阪神OB)
昨年リーグ優勝の阿部監督に、見え隠れするゴジラの存在
巨人・阿部慎之助監督は就任1年目の昨年、チームにとって4年ぶりのリーグ優勝を達成した。ところがクライマックスシリーズでDeNAに敗退し、祝勝ムードは雲散霧消してしまった。今年は2012年以来の日本一奪回を期して、中日の絶対守護神だったライデル・マルティネス投手、前ソフトバンクの甲斐拓也捕手、楽天を自由契約となった田中将大投手らを補強。昨年も長丁場のレギュラーシーズンを制しただけに、普通なら監督の座はしばらく安泰のはずだが、現役時代に巨人、ヤンキースで活躍した大物OB、松井秀喜氏の存在が影を落としているといわれる。
「松井氏は年明けにBS-TBSで放送されたイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)との対談で、『長嶋さん(松井氏の恩師である巨人・長嶋茂雄終身名誉監督)が元気なうちに、自分の元気な姿を見せたい気持ちはあります』と、これまでになく、監督就任へ前向きと受け取れる発言をした。山口寿一オーナーも『そういうこと(巨人復帰)を言ってくれているのかなと、私は受け止めています』と呼応。にわかに周辺はざわついています」(スポーツ紙デスク)
ニューヨークで家族と暮らす松井氏は、単身赴任して日本の球団の監督を務める可能性は低いと見られてきたが、長嶋氏への恩義が“ゴジラ監督”誕生を後押しすることになるのか……。阿部監督にとっては不気味だろう。
次ページ:後ろ盾を失った燕高津監督、中日井上監督は観客動員を維持できるか
[1/2ページ]