「トランプ詣で」が続くゴルフ界で…リブゴルフからPGAへの「出戻り出場」が増えそうな理由
リブゴルフからPGAへ初のケース
PGAツアーが誇るフラッグシップ大会であり、シグネチャー・イベントの1つとして、長年「第5のメジャー」と呼ばれているプレーヤーズ選手権。今年は3月13日から16日の4日間、米フロリダ州のTPCソーグラスで開催される。
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ビッグ大会ゆえに出場選手の顔ぶれは豪華で、世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーを筆頭にトッププレーヤーがひしめいている。その中に、「あれ?」と首を傾げさせられる選手が1人。2022年にリブゴルフが創始されたとき、いち早く移籍した英国出身のローリー・カンターだ。
フルタイムでリブゴルフに参戦していたカンターが、なぜPGAツアーのビッグ大会に出場できるのか?
これまで、リブゴルフにフル参戦した選手が、メジャー4大会を除いたPGAツアーの大会に出場した例は1つも無い。言い換えると、カンターはリブゴルフを経て、PGAツアーの舞台に立つことに成功した初めてのケースとなる。
「統合合意」が空転…2月には「トランプ詣で」
リブゴルフが2022年に創始されると、PGAツアーやDPワールドツアーのスター選手は次々に移籍。PGAツアーのジェイ・モナハン会長は怒声を上げたり、苦悩したり、一時期は体調不良で公の場から姿を消したりと、辛い日々を送ってきた。
その後、モナハン会長は水面下でリブゴルフを支援するサウジアラビアの政府系ファンド・PIFのヤセル・ルマイヤン会長と密談を進め、2023年6月にPGAツアーとPIFの「統合合意」を電撃的に発表。
しかし、一方的で独断的なその発表はPGAツアー選手たちから猛反発を食らい、結局両者の交渉は、いまなお「統合」という結論に至っていないというのが現状である。
そんな中、モナハン会長をはじめとするゴルフ界の要人たちがホワイトハウスを訪れた。ドナルド・トランプ大統領との会合に臨む「トランプ詣で」が、2月に2度も続けざまに行われたことは、米国でも、日本を含めた世界各国でも報じられている。
2月4日には、モナハン会長は選手理事のアダム・スコットを伴った。2度目の20日には、やはり選手理事のタイガー・ウッズも加わり、リブゴルフ側からはルマイヤン会長も同席した。
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