「噛み合わないエピソード」プロも酷評 「おむすび」朝ドラ最低視聴率を更新か 視聴者を第一に考えないNHKの態度

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プロも厳しい意見

 橋本環奈(26)が主演している朝ドラことNHK連続テレビ小説「おむすび」が、最終盤に入った。評判は概ね悪く、視聴率も史上最低を更新するかどうかの瀬戸際である。【高堀冬彦/放送コラムニスト、ジャーナリスト】

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「おむすび」はプロのドラマ制作者の評価も厳しい。ここ約1カ月強で会った制作者4人に意見を求めたところ、いずれの言葉も辛辣だった。特に構成については全員が冷評した。

 構成についての声は次のようなものである。「噛み合わないエピソードを無理につなげているように見える」「エピソードの構成に緩慢な部分があったかと思えば、過密と思えるところもある。その差が大きい」。

 この2つに当てはまった一例が、15週(1月13~17日放送)から16週(同20~24日放送)である。

 15週の2010年4月、ヒロイン・結(橋本)と四ツ木翔也(佐野勇斗)は新婚生活を送っていた。結は栄養士として星河電器の社員食堂で働き、翔也は野球を離れて同社で総務部員だった。

 そんなとき、結が体調不良を訴え、大阪新淀川病院に受診する。腎盂腎炎だった。同時に妊娠6週目であることも分かる。結は病院で管理栄養士の西条小百合(藤原紀香)と出会う。

 2011年3月、結の長女・花(宮崎莉里沙)が生まれた。ほどなくして東日本大震災が発生。結の父・米田聖人(北村有起哉)が理容店を営む神戸市・さくら通り商店街からもボランティアが現地に向かい、支援物資を送った。

 結の自宅には神戸栄養専門学校時代の同級生・湯上佳純(平祐奈)が訪ねてきた。被災地に入り、災害支援栄養士として活動をしていた。結に体験談を語った。

 2012年1月、結は星河電器への職場復帰を考えたが、自分の代役の栄養士がいたため、気後れする。その思いなどを西条に相談した結果、自分も管理栄養士になることを決心する。直後から勉強を始める。

 ここまでが15週。分量は15分ずつ5回だから75分。連繋への違和感と過密感をおぼえた。

つながりの悪さ

 16週は福岡・東糸島のギャル集団・ハギャレンのルーリーこと真島瑠梨(みりちゃむ)が失職し、結のところへ身を寄せる。ルーリーは結の姉・歩(仲里依紗)の友人で、チャンミカこと相原三花(松井玲奈)が営む古着店で働くことになった。以降の16週、結はほとんど登場しなかった。

 一方で、さくら通り商店街は活気を失いつつあった。後継者不足が理由である。商店街の勢いをさらに奪いそうな大型ショッピングセンターの建設も計画されていた。 

 その予定地で唯一、建設に反対しているのが聖人の友人で歩の幼なじみだった真紀(大島美優)の父・渡辺孝雄(緒形直人)だった。

 歩はチャンミカの彼氏の胡散臭さに気付く。言葉にウソがあるからだ。それを指摘されたチャンミカは怒りを露わにする。「人の幸せにまでケチつけて」。

 2人の間に溝が出来るが、間もなく歩の正しさが証明される。彼氏は詐欺や窃盗の常習犯だった。

 その後、岩手に住む歩の友人・アキピー(渡辺直美)がやって来る。震災後に支援してくれた神戸市民にお礼に来たのだった。

 ここまでが16週である。やはり過密感があった。東日本大震災の描写を薄くしてまで、ルーリーの失職やチャンミカの彼氏の裏切りなどを一辺に描く必要があったのだろうか。

 15週から16週の流れにも不自然さをおぼえた。結がほとんど登場しなかったせいでもあるだろう。結は17週もほとんど出てこなかった。制作陣はヒロイン不在について一部メディアに対し、計算ずくのことであったと説明した。

 それなら広く視聴者に理由や意図を知らしめるべきである。この朝ドラについて話を聞いた制作者の1人の言葉を思い出す。「私たちはメディアやドラマライターのためにドラマをつくっているわけではありません」。この鉄則を「おむすび」は守ってきたのだろうか。

「おむすび」は低視聴率、不評についても視聴者への釈明や弁明をしてない。一方で、この朝ドラが正しいとする言葉を並べてきた。やり方が古いのではないか。視聴者の存在を第一に考えているのだろうか。そんな番組づくりの姿勢が最近の受信契約者数減の一因と見る。

 昨年度末の受信契約総数は4107万件。一昨年度と比べ37万件も減った。それにとどまらない。やはり昨年度末の決算によると、4年間では100万件以上の契約を失った。

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