「高額療養費制度」の見直しを石破総理に耳打ちした黒幕はいつもの人たち
理解を得るには至っていない
石破茂首相は7日、医療費が高くなった患者の自己負担を抑える高額療養費制度について8月の負担上限額の引き上げを見送り、秋までに改めて方針を検討して決定することを表明した。
石破氏の発言はざっと以下の通り。
「これまでも指摘を真摯に受け止め“多数回該当”の方の負担の据え置きや、令和8年度以降の所得区分の細分化の再検討などを行い、その点については、一定の評価をもらったが、今年の分の定率改定を含め、今回の見直しについては、なお理解を得るには至っていない」
「患者団体に理解をいただけない理由の1つとして検討プロセスに丁寧さを欠いたとの指摘をいただいており、政府として重く受け止めなければならない。患者の皆さまに不安を与えたまま、見直しを実施することは望ましいことではない」
「今年8月に予定されている見直し全体について実施を見合わせることを決断した」
「患者の皆さまにとって大切な制度であるからこそ、丁寧なプロセスを積み重ねることで、持続可能なものとして、次の世代に引き継がれるように心から願い、努力をしていきたい」
主導してきたのは誰なのか
そもそも、高額療養費制度の負担上限額の引き上げを主導してきたのは誰なのか。
「石破氏本人ですね。かなりのこだわりがあると見られてきました。実は今回提示されていた負担上限額の引き上げでカットできるのはせいぜい200億円程度とされています。一方で2022年度の国民医療費は47兆円弱。メスを入れなければならない医療費総額に対して削減できる額が著しく少なく、その割に国民の間に反感が強いため、都議選や参院選を前に訴える政策ではないのではないかと厳しい指摘も上がっていました」
と、政治部デスク。
「石破氏はこの制度は“持続可能”ではないと常に言います。しかし自民党総裁選の頃にも言っていないテーマなので、首相就任後に財務省と厚労省のアドバイスを受けた言動と見られています。理屈としては、この制度も見直していく必要があるというのは間違ってはいないのでしょう。石破氏は良くも悪くも原理原則の人で、持続すべきシステムが持続できないのならできるように内容を改めるべきだと主張しているわけです」(同)
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