「みのもんた」さん「おもいッきりテレビ」秘話 名物“フリップ芸”は「台本を覚えてこないから」

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スタッフ全員でハワイに!

「たったの1クールで結果は出てきました。難攻不落の『笑っていいとも!』の背中が見えてきたのです。この勢いを逃さないようスタッフを鼓舞するため、毎日、生放送前にジャンケン大会が行われました。演者はもちろん技術さんなどスタッフ全員でジャンケン大会です。最後まで勝ち残った人には、みのさんから1万円が贈呈されました」

 毎日、賞金を出すとは気っ風がいい。

「みのさんもこの番組に賭けていたんだと思います。当時、みのさんは『プロ野球ニュース』(フジ)から派生した『珍プレー・好プレー大賞』のナレーションで話題になっていました。そのセンスは素晴らしかったものの、あくまでもナレーションの仕事であり、土日の司会を務めていた『プロ野球ニュース』も降板していました。レギュラー番組は『おもいッきりテレビ』だけでしたから。その甲斐あって、たしか初年の12月には1度か2度、『いいとも』を抜いたときがあったはずです」

 みのさんも喜んだことだろう。

「もちろんです。『スタッフ全員をハワイに連れて行こう!』と言い出して、極秘に旅行会社を局まで呼んだんです。ところが、総額1000万円でも済まないというということが分かって、『もっと稼いで偉くなってからにしようか』と……」

 まだ“銀座の帝王”と呼ばれる前のことだ。もう1人、内情を知る関係者に聞いた。

「当初、みのさんギャラは1本50万円でしたが、1クールで80万円に上がり、その時代が長く続きました。逗子にあった自宅から、毎日、横須賀線のグリーン車で新橋まで来て、そこから局のハイヤーで日テレのあった麹町に通っていました。2年目には視聴率10%の常連となり、みのさんが自腹でスタッフ全員を熱海の温泉宿に招待してくれたこともあります。日曜日に始めた『みのもんたの世渡りジョーズ!!』(日テレ)でも高視聴率を取ると、『これでみんなで遊んでくれ』と金一封なんてこともよくありました」

 金一封はいくらぐらい入っていたのだろう。

「20万円くらい入っていましたね。とにかくスタッフに優しい人でした。我々にいつも感謝していましたね。カメラさんも技術さんもメイクさんもマネージャーさんも、分け隔てなく優しく接してくれました。毀誉褒貶が激しい人ではありましたが、スタッフに優しい人だったことだけは間違いありません」

デイリー新潮編集部

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