「遺体から立ち上る青い炎」「炎で空は真っ赤に、桜は桃色に染まっていた」…脳裏に焼き付いて離れない「東京大空襲」の記憶【3】
第2回【「隅田川に入った家族」「神社に逃げ込んだ全員」が帰らぬ人に…下町が業火に包まれた「東京大空襲」で、生死を分けた瞬間とは】を読む
3月10日の「東京大空襲」は、東京が受けた最初の大規模空襲である。家屋が密集する東京の下町地区を目標としたB-29は、最初に50キロの焼夷弾を4カ所に投下し、発生した火災を明かりとして使いながら、小型の油脂焼夷弾を投下していった。春先の強風に煽られた炎は約27万戸の家屋を焼き尽くし、罹災者は約100万人に達した。
戦後80年を迎え、戦争を直接体験した人は少なくなった。...