センバツ一強「横浜」を脅かす…東洋大姫路でも健大高崎でもない「ダークホース」6校とは
10年前の準V校も虎視眈々
滋賀学園-浦和実の勝者と2回戦で対戦する可能性がある東海大札幌(北海道)もダークホースの1校。校名変更前の2015年に東海大四としてセンバツに出場し、準優勝を果たしている伝統校でもある。
雪国のハンデを克服すべく、新チーム結成後は練習試合を含めて60試合以上の実戦を経験してきた。これは出場32校の中でも5本の指に入る試合数だ。
北海道代表として臨んだ昨秋の神宮大会は初戦で大垣日大(岐阜)を破り、全国でも通用するところを証明済み。続く広島商には完封負けを喫したが、投手陣は強打線を3点に抑え込んだ。
チームの柱は右腕・高橋英汰と左腕・矢吹太寛のダブルエースだ。どちらも完投能力を秘めており、勝ち上がっていけば、10年前の再現があっても驚かない。
菊池雄星、大谷翔平の母校に誕生した秘密兵器
雪国からもう1校。昨秋の東北大会でベスト4入りし、同地区3校目に滑り込んだ花巻東(岩手)だ。菊池雄星(エンゼルス)や大谷翔平(ドジャース)を輩出した東北屈指の実力校で、09年のセンバツで準優勝、夏の甲子園でも2度の4強入りがある。
岩手の厳しい冬を乗り越えるため、部員の一助となったのは昨年11月にオープンした「King of the Hill」(KOH)という全天候型施設。プロデュースしたのは他でもない偉大なOBの菊池である。KOHにはプロ仕様のブルペンやバッティングエリアが備えられており、子供対象の野球スクールのほか、花巻東の選手も活用していたようだ。
エースは184cm、86kgのがっしりとした体形から剛腕のイメージもある金野快。ただ、精密なコントロールと巧みに変化球を操る投球術を最大の持ち味としている。野手は古城大翔、赤間史弥ら将来有望な2年生もいて層の厚さが武器。機動力もあり、下位からでも得点できる打線は相手投手には厄介だ。
1回戦は、中国大会準優勝の米子松蔭(鳥取)と大会初日の第2試合で対戦する。
初戦で激突!創部4年目&元女子校にも注目
エナジックスポーツ(沖縄)と至学館(愛知)も上位進出を狙える力を持つ。ただし、4日目の第2試合で激突するため、一方は初戦で甲子園を後にすることになる。
初出場のエナジックスポーツは2022年に野球部を創部したばかりの新興校だが、昨春に県王者に輝くと、夏の沖縄大会で準優勝と甲子園にあと一歩まで迫った。創部以来、神谷嘉宗監督の下、ノーサイン野球を貫いており、次の塁を狙う積極野球は相手バッテリーには脅威となるだろう。
また、温暖な沖縄でたっぷり練習時間を確保できたことも大きな強みとなるはずだ。部員のほとんどが地元出身という結束力を武器に旋風を巻き起こせるか。
エナジックスポーツと相対する至学館は、伊調馨らを輩出した女子レスリング部で有名な愛知の私学。もともと女子校だったため、こちらも野球部の創部は2006年と比較的歴史は浅い。
昨秋の県大会を制し、東海大会で4強入りすると、地域性も加味され地区3校目に選ばれた。部員数を見ると、2年生が3年生の3倍近くを占める若いチームで、レギュラーも半数以上が2年生。それゆえに一冬越しての伸びシロも期待できそうだ。
愛知といえば、私学4強(中京大中京、東邦、愛工大名電、享栄)が甲子園を沸かせてきた。もし至学館が今大会で爪痕を残すことができれば、私学4強が死語になる日が来るかもしれない。
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