センバツ一強「横浜」を脅かす…東洋大姫路でも健大高崎でもない「ダークホース」6校とは

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 今月18日に開幕する第97回選抜高等学校野球大会(以下センバツ)。7日に組み合わせ抽選会が行われ、1回戦の16カードが決まった。 
【八木遊/スポーツライター】

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「一強」が合言葉、横浜が中心?

 初戦屈指の好カードは、初日の第3試合に組まれた「健大高崎(群馬)-明徳義塾(高知)」だろう。健大高崎は1年前のセンバツ覇者であり、昨秋の関東大会でも準優勝を飾った実力校。対する明徳義塾も強豪ひしめく四国大会を制覇している。

 ただ、優勝候補の筆頭は、健大高崎を破り関東王者に輝いた横浜(神奈川)である。明治神宮大会も勢いそのままに制して、“大本命”として今大会に臨む。同校は合言葉に「一強」を掲げており、見据えるのは全国制覇だけだ。

 その横浜は初戦で市和歌山と対戦する。市和歌山は捕手で主将の川邉謙信を中心に投打にまとまりのある好チームだけに、そう簡単には勝たせてもらえないだろう。横浜自体も出場した直近のセンバツ5大会のうち4大会で初戦敗退を喫している。まずは鬼門の初戦突破なるかに注目が集まる。

 横浜以外には神宮大会の決勝で接戦を演じた広島商、近畿王者の東洋大姫路(兵庫)、5年連続出場の敦賀気比(福井)、天理(奈良)、智弁和歌山などが優勝候補の一角を担う。

 ただ、どのチームも公式戦は昨秋以来。思わぬ伏兵が冬の間に力を蓄えていてもおかしくないだろう。そこで、有力候補とまでは評価されていないものの、上位に進出するチャンスがある“隠れ実力校”を、独断と偏見で何校か紹介したい。

練習試合は負け越しも…本番に強い!

 まずは、激戦の近畿大会でベスト8に入り、近畿5校目の評価を受けた滋賀学園だ。昨夏の甲子園では、アルプス席で“キレキレダンス”を披露した応援団が話題を振りまいたが、野球の実力は侮れない。

 長身投手の長崎蓮汰を中心としたどちらかというと守りのチームで、昨秋の近畿大会では強豪・大阪桐蔭を撃破した。その試合で先発・長崎が奪った三振は1つだけだったものの、丁寧に打たせて取る投球で2失点完投。見事にジャイアントキリングを成し遂げた。

 ただ、昨秋までの新チームの成績は20勝18敗1分。公式戦の6勝1敗に対して、練習試合は14勝17敗1分と負け越している。実際に昨年9月の大阪桐蔭との練習試合は、2試合合計スコアが1-12と全く歯が立たなかった。

 滋賀学園はまさにここ一番で本領を発揮するタイプといえそうだ。初出場の浦和実(埼玉)と1回戦で対戦することが決まったが、相手も昨秋の関東大会で横浜と接戦を演じているだけに、初戦がカギとなりそうだ。

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