3月14日で「Jupiter」「ドラえもんのうた」消滅…駅メロ文化が“ワンマン化”で揺れる理由
進む「路線単位での統一」
「もともとご当地メロディは広告と銘打ったものではありませんでした。最もメジャーなのは、京浜東北線蒲田駅の『蒲田行進曲』でしょうか。90年代から使われていて、歴史も古い。そこから、作曲家の出身地、アーティストにゆかりのある地に、導入が広がっていきました。山手線でも高田馬場駅の『鉄腕アトム』、駒込駅の『さくらさくら』、恵比寿駅の『第三の男』が該当します。ただ、京浜東北線も山手線も2030年頃までにワンマン化が決まっているので、予断を許さない状況です」(前出の鉄道に詳しいライター)
昨年10月には横浜駅、新宿駅、東京駅などのターミナル駅で発車メロディが一斉に差し替えられ、その後も首都圏の駅で楽曲の更新が続いている。JR東日本は「駅の放送設備の更新のため」と説明しているが、実際には「路線単位での統一」が進められている状態だ。
「もともとは地域を盛り上げるためにやっていたご当地メロディですが……なぜ、こんなことになってしまったのか。JR東日本としては、基本的に合理化の流れの中で、全部同じ曲で統一したほうがやりやすいだろうということなのだと思いますが、地元住民や鉄道ファンはさみしい気持ちでいっぱいでしょう」(同)
南武線以外にも、茅ヶ崎駅相模線ホームの「海 その愛」や、八王子駅八高線ホームの「夕焼け小焼け」が、ワンマン化によってすでに消滅している。新宿駅や東京駅で差し替えられたメロディは、20年以上使われていたものも多く、利用者にとっては愛着のある音で、「その駅のシンボル」だった。
果たして、多彩な駅メロ文化はこのまま消えていくのだろうか。
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