伏線回収が話題「ホットスポット」が“日テレドラマの救世主”と呼ばれる理由
富士山とキャスティング
「一番はバカリズムさんの秀逸な脚本にあることは言うまでもありません。また、日曜夜に呑気に見られる緩さ、リアルな女子会のような会話なども高評価の理由として様々なメディアで語られています。しかし、ここでは、テレビマンから見た要因を探ってみましょう。まずは、日本人は富士山が好きということです」
は？ たしかに富士山麓を舞台にしているので、毎回、デーンと富士山が映っているが。
「霊峰富士を、毎回、堂々と出すのは、テレビマンとして勇気のいることです。格好つけたがるテレビマンには気恥ずかしい画面なんです。でも、日本人はやっぱり富士山が好きなんですよ。1970年代に放送されたTBSの朝の情報番組『おはよう720』（のちに700）には“今日の富士山”というコーナーがあり、毎日、リアルタイムで富士山を中継していました。日テレの『ズームイン!!朝！』がのし上がる前は、無敵の視聴率を誇っていた番組です」
現在「大下容子ワイド！スクランブル」（テレビ朝日）がオープニングで全国の晴れた空を中継しているが、富士山が出てくると思わず「オッ！」と思わされる。
「第2に、渋いけれど凄いキャスティングです。民放連ドラ初主演の市川はもちろん、第8話には宇宙人・高橋の母親役として安藤サクラ が特別出演。『ブラッシュアップライフ』の主演女優です。高橋の父親役には名前は思い出せなくても顔は誰もが見覚えのある野間口徹。高橋の母親の老年期を演じたのは松金よね子という渋さ。さらに、子役の頃から数字では無敵の志田未来、元AKBで“高視聴率脇役”の野呂佳代、『silent』（フジテレビ）でヒロイン川口春奈を食っていた夏帆、コスメの女王・MEGUMI……と、とにかくF2層（35～49歳の女性）のウケが高いキャスティングです」
そして第3の要因は？
異世界人は出るか？
「新たな謎が提示されたことで、考察も高まっています。ライトノベルを原作としたアニメシリーズ『涼宮ハルヒ』をご存知でしょうか。『ホットスポット』の初回で高橋が宇宙人であることを告白したときから『ひょっとして、涼宮ハルヒ？』と囁かれていたんですが、ここへきてさらに噂は高まってきました」
どういうことだろう。
「ハルヒが高校に入学したときの自己紹介のセリフが『東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上』だったのです。つまり、『ホットスポット』には“宇宙人”に加え、第7話で小日向が“未来人”であることを告白し、第8話では志田が“超能力者”であることが判明してものですから、ネット上では『残る“異世界人”は誰か？』と大騒ぎになっているのです」
最初に気づいた人がスゴい。で、異世界人は誰なのか。
「ありえそうなのは夏帆、あるいは野呂佳代、富士浅田市の新市長役の菊地凛子という線も……。いや、『セクシー田中さん』に主演して辛酸をなめることになった木南晴夏も主人公の同級生役で出演しています。もし彼女だったら、バカリさんからの素敵なプレゼントになるかもしれません」
