伏線回収が話題「ホットスポット」が“日テレドラマの救世主”と呼ばれる理由

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 冬ドラマも残りひと月を切り、それぞれが物語の伏線を回収する時期に差し掛かっている。そんな中、日曜ドラマ「ホットスポット」(日本テレビ)は、これまでの伏線回収と同時に新たな謎も発覚し、視聴者は大慌て……。

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「ホットスポット」は、富士山の麓にある山梨県のとある町を舞台に、ビジネスホテルに勤めるシングルマザーの遠藤清美(市川実日子)が、ひょんなことから自分は“宇宙人”だとカミングアウトした同僚の高橋孝介(角田晃広)に、仕事や私生活のちょっとした事件の解決をお願いし……という突飛なストーリーだ。

 脚本はお笑いタレントというより脚本家のイメージが強まっているバカリズム で、2023年1月期の「ブラッシュアップライフ」(日テレ)では各賞を総なめした。そのスタッフが再結集したのが「ホットスポット」だ。宇宙人との遭遇なんて普通なら大ニュースになるところだが、それはそれとして淡々と、ゆるーく物語が進むところが持ち味だ。

 3月2日放送の第8話では宇宙人・高橋が自身の生い立ちを遠藤と彼女の幼なじみ(鈴木杏、平岩紙)に告白し、なぜ彼が第1話で車にひかれそうになった遠藤を助けたのかも判明した。いよいよ伏線の回収に入ってきたのだが、ネット上で話題になったのはそこではなかった。日テレ関係者は言う。

「ラストで遠藤の同僚(夏帆)からスナック『のん』のホステス(志田未来)が“超能力者”であることが明かされたのです。第7話ではホテルに長期滞在する村上(小日向文世 )が50年先からやってきた“未来人”であることも判明したので、後半に入って次々と新たな謎が現れて『追いつけない!』と話題になっているんです」

今や日テレの救世主

 第8話の視聴率は番組最高タイの5・9%を記録(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)。

「高視聴率というわけではありませんが、初回視聴率が5・6%で、その後も5%台をキープしつつ第8話で上げてきたのは大したものです。TVerの総再生数も第4話までで1000万回を突破(ビデオリサーチ調べ)しています」

 そんな「ホットスポット」は、日テレの救世主なんだとか。

「一昨年10月期の日曜ドラマ『セクシー田中さん』では、脚本に関するトラブルが原因で原作者が自ら命を絶ったため、日テレは世間から攻撃を受けました。ドラマ部員は打ちひしがれ、さっぱり士気が上がらなくなっていた。作品にも勢いがなくなり、前作『若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―』の視聴率は初回4・4%でスタートし、第3話で3・1%まで落ち、それ以降は発表されなかったほどです。スタッフは原作のある作品を躊躇するまでになりましたが、『ホットスポット』はバカリズムの完全のオリジナル作品ですから胸を張って送り出すことができます。ドラマには日テレの社旗がはためく汐留の日テレタワーも映し出され、その威容に社員も自信を取り戻しつつあります。なにより『ホットスポット』を悪く言う人が見当たらないことが大きいですね」

 なぜそれほど評判がいいのだろう。

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