「ポイントは“金目の紙”」 プロが教える「実家片づけ」四つのルール キッチンを一番先に奇麗にする理由とは

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本丸は「紙片づけ」

 しかし、実家片づけはこれで終わりではありません。むしろ、本丸はその先にあるとすらいえます。それは「紙片づけ」です。

 実家片づけを先延ばしにすることの不幸の一つは、モノが散乱する室内での親の転倒やけがのリスクの増加であり、そしてもう一つが、「金目の紙」を巡る混乱です。通帳や年金手帳、保険の証書や不動産売買契約書といった、お金や資産に関わる紙がどこにあるか分からず、保険金をもらいそびれたり、実家を売って高齢者施設に移る費用に充てようと考えていたのに、それができなくなったりしてしまうことがとても多いのです。

 そのため、実家片づけではモノの片づけと同じか、それ以上に紙片づけが重要になります。この二つが完了してこそ、実家片づけはゴールといえます。なお紙片づけとは、不要な紙を処分するのと同時に、大切な金目の紙をしっかりと整理・管理することを意味します。

「動いている紙」と「動いていない紙」

 紙片づけの際の「あるある」は、ダイレクトメールや金融機関からの資産運用セミナーの案内など、後になってもほとんど見ることがないし使わない紙を、「とりあえずとっておく」というケースです。それらをレターケースや押し入れの隙間に入れておいて、重要な金目の紙とごちゃ混ぜになり、いざという時にどこに金目の紙があるか分からなくて困る方の話を多く聞くので、こうした紙は処分するべきです。

 モノの片づけと同じように、金目の紙も一度、金庫の中に保管してある書類も含めて「全出し」してください。金庫にどんなものがしまわれているかを把握し直す必要があるからです。モノと違って紙は薄く、風に飛ばされたりしてなくなってしまいやすいので、床に並べるのではなく段ボールなどに入れるとよいでしょう。

 そして、その金目の紙を、さらに「動いている紙」と「動いていない紙」の二つに分けます。前者は通帳や株主優待の紙といった、日常的に使うか、もしくは近いうちに使用する予定のあるもの。後者は不動産関係の書類などで、いますぐ使うわけではないものです。

 後者は、文字通り動いていない紙ですから、すぐに取り出せる場所に置いておく必要がないため、金庫に戻したり、枕棚などで大事に保管してください。

 前者の動いている紙は、いつでも使えるように、段ボール製やプラスチック製のファイルボックスなどを使って仕分けします。ファイリングする対象にはパスポートや健康保険証など、お金に替えられるわけではないものの重要な紙、すなわち「使う目的のある紙」も加えてください。

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