「ポイントは“金目の紙”」 プロが教える「実家片づけ」四つのルール キッチンを一番先に奇麗にする理由とは

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衣服は畳まずにハンガーに

 実はキッチンの片づけは、あまり大きなモノがないこともあり、7時間もあれば済んでしまいます。短時間で、使い勝手が良くなり、暮らしやすさを実感できるはずです。

 次に、寝室の片づけに取りかかってください。寝室はプライベートスペースであるため、個人のモノはここにしまうようにします。ですので、パブリックスペースであるリビングに散らばっている服やアクセサリーなども寝室の片づけの時に集め、これも含めて「全出し」したモノの要・不要を判断します。

 さらに、寝室の片づけの最大のポイントは、布団をベッドに替えることです。高齢の親は、毎日布団を畳んだり出し入れしたりするのが難しくなり、万年床になりがちです。すると、布団が障害物となって転倒しやすくなりますし、また布団から起き上がって立つのにも難儀する例が珍しくありません。ですから、安全性などを考えてベッドにすることが大事になってくるのです。

 ヨレヨレの服などを捨てた上で、収納に際しては「畳み」ではなく「ハンガー」がお勧めです。干してからそのまま収納できて手間が省けます。膝を痛めている高齢者が多い中、座って畳むという作業もしなくて済みます。加えて、持っている服が一目で分かるのも利点です。クローゼットに入りきらない服を収納するには、プラスチックのケースではなく、軽くて動かしやすい布製のケースがよいでしょう。

リビングの片づけが意外とあっさり終わる理由

 最後にリビングを片づけるのですが、思っていたよりもあっさりと終わるはずです。どうしてかというと、寝室の片づけの際に個人のモノは全て回収しているので、パブリックスペースに残っているのは文房具など家族共用のモノだけとなっているからです。

 なお、実家が一軒家の場合は2階に寝室があるケースが多いと思いますが、介護を考えた場合、階段の上り下りの機会を減らせて、車椅子でも移動しやすいリビングにベッドを置くのがお勧めです。「生活スペースであるリビングにベッドを置くなんて」と抵抗がある方は、ホテルの部屋をイメージしてみてください。生活スペースにベッドがあっても、過ごしにくいわけでも、変なことでもないと納得しやすいと思います。きちんとベッドメーキングさえすれば、リビングに不衛生な感じが漂うことはないはずです。

 この時点でモノの片づけは終了。100点とはいわずとも、安全さと快適さが格段に上がっていることでしょう。

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