次の「ゾマホン」「ボビー・オロゴン」は…いま「シロウト外国人」起用番組が増加のなぜ

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 最近、テレビでよく見るのが“日本大好き外国人”の番組だ。3月1日に放送された「有吉弘行のものまねTHEワールド」(フジテレビ)は、日本人アーティストの楽曲を外国人がものまねで歌って競い合う番組だった。

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 外国人が日本語の歌の歌唱力を競う番組といえば「のどじまんTHEワールド!」(日本テレビ)もあったが……。民放プロデューサーは言う。

「番組のタイトルも絵面も似ていたので勘違いした視聴者もいるかもしれませんが、『のどじまんTHEワールド!』は2019年の第20回を最後に放送されていません。しかも“ものまね”といえばフジの代名詞のようなものですから、目くじらを立てるようなことでもないでしょう」

 それにしても、素人の外国人を使った番組が増えている。

「そうですね、確かに最近、増えています。素人の外国人にスポットを当てた番組のパイオニアといえば、テレビ東京の『YOUは何しに日本へ?』と『世界!ニッポン行きたい人応援団』が挙げられます。バナナマンがMCの『YOUは何しに』は、来日した外国人に空港で声をかけ、彼らの行き先に密着するドキュメントバラエティです」

 2017年5月に放送された「YOUは何しに」では、バラエティ番組「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送テレビ)が大好きというドイツ人カップルが番組を観覧するために来日。しかし、何の当てもなく来日したため、当然、希望は叶わなかった。ところが、この番組を見た視聴者から何とかしてやってくれという依頼が「ナイトスクープ」に殺到、探偵の澤部佑がこの2人を探し出し、観覧を実現させたこともあった。

外国人タレント枠

「一方、フィギュアスケート選手の織田信成さんが団長を務める『ニッポン行きたい人』は、日本文化に興味を持つ外国人の夢を叶えるべく、ニッポンに招待して密着するドキュメントバラエティです」

 こちらには毎回、とんでもないマニアックな日本好きが登場する。アジフライ大好きのイタリア人、鰹節を自作するアメリカ人、抹茶を愛するドイツ人などが本場で学ぶ姿を密着してレポートする。

「企画は全く異なるものの、そこに登場する外国人たちの異様なほどの日本への熱意が人気の理由です。どちらも日本の良さを再確認させてくれる番組です」

「有吉弘行のものまねTHEワールド」も、その一環ということだろうか。

「そうですね。特に『ものまねTHEワールド』は、将来“外国人タレント”として人気者になってほしいという狙いもあるのでしょう。今は“枠”が空いていますから」

 外国人タレント枠というものもあるのか。

「古くは1959年にスタートしたNHK教育(Eテレ)の『フランス語初級講座』で初代講師を務めたフランソワーズ・モレシャンさん。彼女はこの番組をきっかけに人気者となり、『ワタシタチノ国デハ……』でお馴染みとなりました。60年代になると大阪弁を喋るアメリカ人として関西で人気となったイーデス・ハンソンさん。70年代には夫婦デュオ“ヒデとロザンナ”のイタリア人、ロザンナ・ザンボンさん。千昌夫さんの元妻で歌手のジョーン・シェパードさんも『新婚さんいらっしゃい!』(テレビ朝日/朝日放送テレビ制作)で桂三枝(現・文枝)さんと司会を務めるなど人気になりました」

 この頃の外国人タレントは、文化人や歌手といったイメージが強い。

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