なぜモデルは「YouTuberでもなれる仕事」になった? 「CanCam」降板の中町綾と蛯原友里を比較してみると… 「“憧れのモデル”は一般人の参考にならない」
炎上YouTuberならではの「即リカバリー」癖も人気の理由? 「愛され女子」の価値観の変化
失恋や体重について包み隠さず語り、現在の成功の糧にしている中町さんにとって、自分の発言が炎上することは「失敗」には入らないに違いない。仲良しのYouTuberに対してデリカシーのない発言をしたり、中町さんの危うさはたびたび指摘されてきた。でもそのうっかりした性格こそが持ち味だし、別の雑誌のインタビューでは「空気を読まずに発言することが私の武器」とも語っている。
無神経さを開き直ることと、ポジティブシンキングは近いようで違う。しかし本人がその違いに気付けないのは、炎上したら即リカバリー対応を取ることで、なんとか収まってきてしまった「成功」実績があるからだろう。一昨年はある居酒屋を見て、「人気なっ!」と笑ったことが炎上。おわびにお店の手伝いに行くと慌てて発表したところ、ファンが殺到して大盛況に。当日の様子を伝える動画は140万回再生を記録したという。
今回は「CanCam」モデル降板に加え、八潮市への寄付を発表。ただ、居酒屋事件の時と同様、相手方にお金が行くようなアフターケアを早めに行えば、ダメージどころか好感度アップにつながる、と安易に考えているのだとしたら目も当てられない。
炎上だろうと、見てもらったもん勝ち。そのしたたかさやハングリーさは、かつての「エビちゃんOL」にはなかったものだ。でも失敗を過度に恐れる今の若者たちにとっては、中町さんの強気な姿勢こそが最大の魅力に映っているのかもしれない。理想の美人になろうとする必要なんてない、あなたはあなたの美しさを追求すればいい。失敗してもすぐに謝ればなんとかなる。ほら、私を見てよ、と。
それは耳に心地良いだけで、世間の厳しさから目を背けた幼稚な人生訓にも聞こえる。中町さんの言動だって手放しで許されてきたわけではなく、常識ある大人として扱ってもらってこなかっただけにも見える。それでもフェミニンなワンピースや巻き髪でほほ笑む誌面の美女より、ヒョウ柄の服で食事をしながら「私を見て」とあけすけに呼びかける女子の方が、「愛され女子」だという時代になったということかもしれない。
昨年Xで「自分可愛くて・見惚れちゃう」という画像と共に「マインド中町綾になると人生楽しいし簡単に生きれるよ」と投稿していた中町さん。「グレート・ギャッツビー」の中で「女の子はかわいいおバカさんが一番」と語る有名なシーンがあるが、果たして中町さんはどう思うか、聞いてみたい。