なぜモデルは「YouTuberでもなれる仕事」になった? 「CanCam」降板の中町綾と蛯原友里を比較してみると… 「“憧れのモデル”は一般人の参考にならない」
「憧れのモデルになりたい」ではなく、「今の自分の魅力を最大限に生かしたい」若者たち
エビちゃんのプロフィールを見ると、身長168cm、ウエストは58cm。うわさレベルだが体重は48kgで股下は80cmともいわれている。令和の日本人女性の平均身長は、20代・30代共に157~158cm。この身長の適正体重は54~55kgなので、いかにエビちゃんのスタイルが特異なのかがうかがえる。
日本の有名ファッション誌のモデルなのだから、骨格が一般人と違うのは当たり前といえば当たり前。しかしそれは、エビちゃんが着て似合うからといって、一般人が似合うとは限らないという状況を引き起こす。エビちゃんのきゃしゃなスタイルだからこそ映える淡いピンクや白の服も、わたしのようなガッチリ体形が着るとさらに太って見える。ゆるやかな巻き髪も、わたしのような丸顔に垂らすとさらに顔デカになってしまうのである。
翻って最近の若い女性たちは、自己分析に熱心だ。骨格はウェーブかストレートかナチュラルか。パーソナルカラーはイエベかブルべか、さらに顔タイプはどうか。そうやって100通りを超えるような細かな診断を重ねて、自分に似合う服やメイクを選ぶ。どんなに美人で8頭身のモデルだろうと、自分と全く違うタイプなら参考にならないと見向きもしない。
いうなれば、エビちゃんブームの頃より「身の丈をわきまえている」若者が増えた、ということだろう。そうした冷静な若者たちにとって、月に1回、誌面上で加工された写真しか伝えてくれない雑誌モデルより、本音で使用感をしゃべり、動いて服の様子を見せてくれるインフルエンサーの方が信じられるというのも無理はない。ちなみに中町さんは162cm、骨格はウェーブとのこと。昨年は失恋のショックで39kgまで落ちたという動画も上げていたが、過去最高体重は53kgだったという。それでも一般人より細いのだが、体重の増減を含めて「信頼できる」「努力が評価できる」と、若者の共感と支持を得た側面はあるのではないだろうか。
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