冬ドラマ10本「視聴率ランキング」 「相棒」を抑えてトップに立った「ミステリー×教育ドラマ」
テレ東のドラマが成功
(4)テレビ朝日「プライベートバンカー」(木曜午後9時)20日放送の第7回、3.8%
(5)テレビ東京「法廷のドラゴン」(金曜午後9時)21日放送の第6回、3.5%
(6)TBS「クジャクのダンス、誰が見た?」(金曜午後10時)21日放送の第5回、3.5%
「プライベートバンカー」は唐沢寿明(61)扮するプライベートバンカーの庵野甲一が主人公。遺産問題を抱える大富豪・天宮寺丈洋のプライベートバンカーになる。天宮寺は橋爪功(83)が演じている。
通常のプライベートバンカーは富裕層向けの資産管理者だが、庵野は天宮司家内のゴタゴタを解決する一方、外敵から家族を守る。大人向けの漫画のような味わいがある。
「法廷のドラゴン」の放送枠であるテレビ東京の金曜午後9時台は大苦戦が長く続いていたが、このドラマはヒットした。
上白石萌音(27)が演じる主人公の天童竜美は新米弁護士。日本将棋連盟の奨励会に所属していたものの、プロ棋士にはならず、弁護士資格を取得した。
それでも竜美の思考回路は 棋士のまま。法廷戦術でも将棋の戦法を使う。中には「持将棋」など一般的ではなく難解なものも。説明は一切なし。ここまで視聴者に不親切なドラマも珍しい。それも斬新と捉えられたのかもしれない。
「クジャクのダンス、誰が見た?」はミステリー。観る側が求めている謎の答えが簡単には出てこないためか、一部にストーリー進行が遅いという声もあるようだ。しかし、決して遅緩ではないだろう。描くべきエピソードの量が多いからそう感じられるだけで、むしろ優れた構成だと見る。
広瀬すず(26)が演じる主人公の大学生・山下心麦の父親が殺される。その父親はリリー・フランキー(61)が演じる・春生。元警察官の春生はある殺人事件が冤罪と見て、調べていた。
春生の遺言により、心麦は松山ケンイチ(40)扮する弁護士の松風義輝と殺人事件、父親殺しの真相を追う。
なお、午後9時台と同10時台の視聴率は単純比較できない。夜がふけるとテレビを観る人が減るからだ。午後10時台の視聴率は同9時台より3割前後減る。
(7)テレビ朝日「家政婦のミタゾノ 第7シーズン」(火曜午後9時)18日放送の第6回、3.3%
(8)TBS「まどか26歳、研修医やってます!」(火曜午後10時)18日放送の第6回、3.2%
(8)日本テレビ「相続探偵」(土曜午後9時)22日放送の第5回、3.2%
(10)日本テレビ「ホットスポット」(日曜午後10時30分) 23日放送の第7回、3.1%
2016年に深夜枠で始まった「家政婦のミタゾノ」も放送10年目。TBS「半沢直樹」(2013年、2020年)の八津弘幸氏(53)ら実力派脚本陣に迎えたことが成功要因の1つだろう。
「まどか26歳」の放送枠であるTBSの火曜午後10時台は恋愛ドラマが中心だが、今回は医療ドラマ。芳根京子(28)が演じる主人公の研修医・若月まどかの成長記、奮闘記に仕上がっている。それが功を奏し、高視聴率に結びついた。
「相続探偵」は相続にまつわる事件にフォーカスを合わせたライトタッチのミステリー。エリート弁護士から遺産相続専門探偵に転身した主人公・灰江七生には赤楚衛二(30)が扮している。
「ホットスポット」は考察モノと捉えられがちだが、極めてよく出来たコメディと見るべきではないか。
市川実日子(46)が演じている主人公の遠藤清美は、角田晃広(51)扮する宇宙人の高橋孝介に命を助けてもらいながら、高橋との約束をあっさりと破り、彼が宇宙人であることを幼なじみにベラベラとしゃべってしまう。高橋自身も自意識過剰だ。2人とも人間臭く、この時点で笑いが止まらない。
鈴木杏(37)と平岩紙(45)が扮している幼なじみの中村葉月、日比野美波は高橋の能力をしょうもないことに使う。ほとんど遊び感覚だった。
小日向文世(71)演じる村上博貴は未来を知る未来人だった。さらに志田未来(31)が演じる真鍋瑞稀はパソコンの画像消去もできる超能力者で、これには驚くと同時にやっぱり笑った。
舞台のコメディを映像でみている感覚に陥る。
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