「会合は夜10時まで」「座席配置は十分に検討せよ」…フジテレビ策定「会食ガイドライン」に局員たちの悲鳴と歓迎

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 中居正広氏の女性トラブルに端を発する、いわゆる「フジテレビ問題」は、今月末には第三者委員会の調査結果が発表される見通しだ。それに先立つ2月末、社内では会食・会合に関するガイドラインが策定され、従業員に周知されたという。しかし、その内容は伝え聞くフジの社風とはかけ離れたもの。社内からは悲鳴と歓迎、両方の声が上がっているようだ。

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 フジがここまで窮地に追い込まれているのは、まさに「会合・会食」が発端だ。中居正広氏と被害女性は、フジ幹部を交えた会食で同席し、それをきっかけに“事件”が起きたことが報じられ、フジもその経緯を認めている。

 それゆえ、局内では「会合」がすっかり悪玉扱い。2月27日、フジテレビの清水賢治社長は「再生・改革に向けて実行に着手した施策」を発表した。その中のひとつとして挙げられたのが、「会食・会合ガイドラインの策定」である。曰く、フジの従業員などが安心して会食・会合に参加できる環境を整えるための指針を作ったのだという。

3枚の文書

 さる局員によれば、

「当日2月27日に早速、局員向けに『ガイドライン』が送られてきました。が、かなりラディカルなもので、社内では賛否両論が渦巻いています」

「会食・会合についての考え方」と題されたその3枚の文書によれば、同社の会合・会食は「人権の尊重を最優先」し、「安全かつ健全」に行われるべきものとする。そしてハラスメント等の恐れが生じた時のために「通報・相談窓口」の存在を「周知徹底する」ことを基本原則とするという。

事前に報告

 もっともな考え方であるが、では、具体的には何をすることが定められたのか。文書の続きを見ると、

「会合の参加者(開催者)はそれぞれが参加する会食・会合の目的、参加者(役職及びフルネーム)、日時、場所(店名等)、予想費用について事前に上長に報告し、承認を得る」。

 報告を受けた上長は「その会食・会合の安全性・必要性を確認した上で」OKか否かを判断する。承認する場合は、「口頭ではなく、メールなど記録に残る形にし、(そのメールの)宛先には、各部のコンプライアンスの担当責任者や業務担当者など、複数名を入れることとする」。部下との間で後に「言った、言わない」のトラブルが起きることを未然に防ごうというものだろう。

 そして会合が終わった後も、「上長は、人権侵害やその恐れが生じていないかどうか、後日すみやかに実態の把握に努める」。

 管理職は忙しくなるわけである。

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