「アンチの相手をせず、憧れの存在に」 第5子妊娠の辻希美がいつの間にか炎上しなくなった理由とは

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恋バナ、キャラ変、しくじり話……卒業後の女性アイドルのあるあるフォーマットに乗らなかった賢さ

 グループ時代は大人気だったものの、卒業後ソロになるとパッとしなくなるアイドルは少なくない。そして彼女たちがみな使う手が、恋バナとキャラ変としくじり話ではないだろうか。

 口説かれた・DMを送ってきた有名人、といった思わせぶりなイニシャルトークや、初体験などきわどい話。清純なイメージだったあの子がここまで包み隠さずに語るなんて!というギャップを狙っているのだろうが、私は「そんなに安売りしなくても」としらけてしまう。

 あの頃はキャラを演じていました、という暴露話も珍しくない。でも、ありのままの自分に戻ったパターンで、アイドル時代以上に成功した人をほとんど知らない。ゆうこりんこと小倉優子さんぐらいだろうか。

 さらに、しくじり話で親近感を感じさせるのもあるあるパターンだろう。アイドル時代のユニット、W(ダブルユー)の辻ちゃんの相方・加護亜依さんは、未成年時の喫煙で解雇された話を鉄板ネタとして使い回している。その後も不倫に離婚、成人向けコンテンツからのオファーなどを明るく語っているが、笑えるというより痛々しい。モーニング娘。世代として、物悲しいものがある。

 しかし辻ちゃんは、「おバカでカワイイ」辻ちゃんであり続けた。夫以外にもいろいろな出会いはあっただろうが、ノリノリで話すことはないし、人のお葬式にも巨大なリボンを着けていく世間知らずキャラはブレなかった。「しくじり先生 俺みたいになるな!!」では「何を書いてもたたかれる」とため息をつきながらも、わが子がかわいいあまりに切った爪をずっと取っているなどのエピソードを明かし、「親バカが過ぎる」と放送後に炎上するという見事なオチをつけていたものだ。

 必要以上に誰かを下げないし、自分のことも下げ過ぎない。それが、遠回りに見えて一番自分を守ってくれる生き方だと、なんとなく辻ちゃんは分かっていたのではないだろうか。

 手っ取り早く好感度を集めようとした数多くのタレントやアイドルが、「B級」の烙印を押されて消えていく中、炎上しながらも辻ちゃんが芸能界の第一線から退くことはなかった。

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