「アンチの相手をせず、憧れの存在に」 第5子妊娠の辻希美がいつの間にか炎上しなくなった理由とは

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 今月3日、辻希美(37)が自身のSNSを更新し、第5子を妊娠していることを明かした。かつて「炎上女王」とも呼ばれた辻は、いかにしてママタレのトップまで上り詰めたのか。ライターの冨士海ネコ氏が分析する。

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 辻希美さんが第5子妊娠を発表、おめでとうございます。夫の杉浦太陽さんと結婚した時、「おままごと婚」と言われていたのはもう18年前。できちゃった婚の離婚率は高いといわれるものの、辻ちゃんたちに限っては安泰そのもの。今もYouTubeなどで仲むつまじい様子がうかがい知れるのもほほ笑ましい。昨年は長女の希空(のあ)さんもデビューを果たし、娘の成長に思わず涙ぐむ辻ちゃんに、かつての「炎上女王」という危うさや幼稚さはもう無い。

 タレントとして、妻として、母として、実業家として。辻ちゃんの一日は実に忙しそうだ。それでもYouTubeを定期的にアップし、家族のためにたくさんの料理を作ったり、子どもの友人のためにおもてなしをしたりしている様子に好感を持つ人は一気に増えた。昨年のORICON NEWSによる「『好きなママタレント』ランキング」では、堂々5位を獲得している。料理や服装のマナーが「母親なのになってない」とたたかれまくっていた頃を思えば、180度とは言わないまでも150度くらい世間の評価は変わってきたようだ。

 ヤバい妻・ヤバい母と長年言われながらも、へこたれずにわが道を行く。辻ちゃんに限らず、紗栄子さんや加藤茶さんの妻である綾菜さんなど、ここ数年で見直されるようになった女性たちには共通点がある。誹謗中傷にいちいち反応することなく、淡々と自分の情報発信を続けていたこと。まさに継続は力なり、である。

 今でこそ珍しくはないが、辻ちゃんが先鞭(せんべん)をつけたブログビジネスは、見てもらったもん勝ちの世界だ。特にネガティブなトピックは、世間の耳目を集めやすい。才賀紀左衛門さんとそのパートナーや小林礼奈さんなど、わが子に起きたトラブルを書いたタレントの記事は、連日ネットニュースに。フリーアナの小林麻耶さん夫妻も、一切句読点のない異様な長文の離婚発表で注目を集めるなど、ブログ発の奇怪な記事は日々話題になっていた。

 彼ら彼女らの記事に共通するのは、「被害者意識」である。冷たい世間から、関係者から、こんなひどい仕打ちを受けた!という発信は、確かに気になってしまうもの。時にはそのタレントに同情することもある。でも批判する人への当てこすりや、「法的措置も検討します」といった強い言葉が並ぶことが続くと、見る方はだんだん疲れてきてしまう。

 一方で、辻ちゃんこそ「被害者売り」をしてもおかしくないのだが、その手の投稿は意外なほどに無い。ブログ名の「のんピース」そのものの、平和な書きっぷりを貫いたことこそが、辻ちゃんのタレントパワーをここまで引き上げたのではと思うのである。

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