石破首相に退陣要求した「爆弾男」西田昌司議員インタビュー 「失われた30年」を招いた「財政健全化」という“悪しき呪縛”
日銀に支払った国債の利息は政府に戻る
――国債の利払い費が上がっても政府は困らないのか。
実は日銀に利息を支払っても、法律上は経費を引いた後で「日銀納付金」として政府に戻ってくる仕組みになっている。現在は国債残高の半分を日銀が持っており、利払い費の半分は日銀に行って政府に返ってくるので、負担は極端には増えない。これは私が国会質問で政府答弁として引き出している。やるべきことは民間が投資を増やせる環境づくりであり、金利は低いままの方がいい。政府が今後、何に予算を投じ、どういう分野に補助を出すかなどを具体的に毎年示せば、間違いなく民間はそれに合わせて投資する。しかし、その第一歩である財政出動自体が止まっている。
理由は、プライマリー・バランス(PB)の黒字化というまったく無意味なことに執着しているためだ。政府はPB黒字化を目標値として十分に財政出動せず「失われた30年」を招いた。こうした事実に政府が気付いていなかった節がある。さらに、占領中の1947年(昭和22年)にできた「財政法」が財政拡大を否定する内容であることも大きな原因だ。戦費調達のための国債大量発行で市中のお金が増えすぎ、戦後に激しいインフレになり、これを抑えるために財政法を作ったと一般的には言われている。しかし、実はこれもでたらめなのだ。
【後編】では戦後直後までさかのぼり、脈々と続く戦後財政政策の悪しき「呪縛」について、西田議員が持論を展開する。